車の一年点検が期限切れ!罰則はある?知っておきたい対処法とは?

車 一年点検 期限切れ

こんにちは!「smart-info.blog」運営者のヒロシです。

車の1年点検(12ヶ月点検)の案内ハガキが来ていたのに、忙しくてつい後回しに…気づけば、あっさり期限切れ。

「これって法律違反?」「何か罰則があるんじゃないか?」と、不安になっていませんか?

あるいは、1年点検を放置したり無視したりするとどうなるのか、期限が過ぎてからでもディーラーやオートバックスのようなカー用品店で点検を受けられるのか、その費用はいくらかかるのか、気になっているかもしれません。

この記事では、そんな「車の一年点検 期限切れ」に関するあなたの不安や疑問を、スッキリ解決していきますよ。

先に大事な結論からお伝えすると、自家用車の場合、1年点検の期限が切れても直接的な罰則や罰金はありません

ただし!

「じゃあ、受けなくてもいいや」と放置してしまうと、罰金よりもずっと深刻なトラブルや、大きな経済的損失につながる可能性があるんです。

この記事を読んで、安全と安心、そしてあなたのお財布を守るための知識をしっかりチェックしてくださいね。

この記事のポイント
  • 1年点検の期限切れに関する罰則の有無
  • 点検を放置した場合に起こり得る5つの重大なリスク
  • 期限が過ぎた点検をどこで受けられるかと費用の目安
  • メーカー保証や将来の売却査定額への具体的な影響

車の一年点検が期限切れ!罰則と放置するリスク

まず一番気になるのが、「罰則」や「法律」のことですよね。

車検切れは厳しく罰せられるイメージがあるので、1年点検も同じように考えてしまいがちです。

でも、実はこの二つ、まったくの別物。

ここでは、法的な位置づけと、罰則がないからこそ怖い「本当のリスク」について解説します。

期限切れの罰則は?法律上の義務を解説

「車の一年点検 期限切れ」、この状況、なんだかソワソワしますよね。

私も経験あるのでわかります。まず、あなたのその不安に対する直接的な答えから。

あなたの車が自家用乗用車(いわゆるマイカーや、軽自動車)である場合、1年点検(12ヶ月点検)の期限が切れたり、あるいは受けなかったりしても、それ自体を理由に警察に捕まったり、罰金や懲役を科せられたりすることは、ありません

「え、じゃあ受けなくていいの?」

「なんで罰則がないの?」と思いますよね。

ここが重要なポイントです。

罰則がないからといって、「やらなくていい」わけでは全くないんです。

12ヶ月点検は、道路運送車両法の第48条(出典:e-Gov法令検索「道路運送車両法」第四十八条)によって、はっきりと定められた、車の持ち主(使用者)が負うべき、明確な法的な「義務」なんです。

法律が自家用車に対して直接的な罰則を設けていない背景には、おそらく「罰すること」が目的ではなく、「ドライバー自身の自発的な点検・整備によって、車の故障を未然に防ぎ、安全を確保すること」を促す、という目的があるからだと考えられます。

【豆知識】罰則がある車もあります

実は、同じ1年点検でも、バスやタクシー、トラックなどの「事業用車両(緑ナンバーや黒ナンバー)」の場合は、話が別です。

これらはお客様の命や荷物を運ぶため、より厳しい安全管理が求められます。

もし点検を怠れば、整備不良として罰金や行政処分の対象となることがあるんです。

裏を返せば、私たち自家用車のドライバーは、法律によって「あなた自身の責任で、安全を管理してくださいね」と、その判断と責任を委ねられている、とも言えますね。

だからこそ、「罰則がない=受けなくて良い」という短絡的な判断は、とても危険。法律による罰金(直接的な罰則)はありませんが、この「義務」を怠った場合、それとは比較にならないほど深刻な「ペナルティ」が、別の形であなたを襲うことになるんですよ。

それこそが、次のセクションでお話しする「放置するリスク」なんです。

1年点検と車検の根本的な違い

「この前、車検を受けたばかりなのに、また点検?」

こう思っている方も、すごく多いんじゃないかなと思います。

私も昔は「点検」と「車検」の違いが、正直よくわかっていませんでした(笑)。

でも、この二つは目的が根本的に違います。

ここを理解することが、1年点検の重要性を知る第一歩ですよ。

1年点検は「予防医療」、車検は「健康診断書」

この例えが一番わかりやすいかなと思います。

1年点検(12ヶ月点検)の目的は「予防医療」です。

これから先1年間、あなたの車が安全に、そして快適に走り続けられるように、「故障しそうな箇所」や「性能が落ちてきている部品」を“未然に”点検・整備するのが目的です。

まだ自覚症状(異音や違和感)が出ていない不具合のタネを、プロの目で早期発見・早期治療するイメージですね。

一方、車検(継続検査)の目的は「健康診断書」です。

これは、あくまで「“検査の時点”で、国が定めた安全・環境基準(保安基準)に適合しているかどうか」をチェックする“検査”に過ぎません。

ライトがちゃんと点くか、排ガスが基準値以内か、ブレーキが(その瞬間)効くか、といった項目をチェックし、「今の時点では、公道を走るための最低限の基準はクリアしていますよ」というお墨付き(自動車検査証)をもらうための手続きなんです。

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車検合格=2年間の安全保証ではない

車検の最も重要なポイントは、次の車検までの2年間の安全性を”保証するもの”ではまったくない、という点です。

「車検に通ったばかりなのに、エンジンから異音が…」「ブレーキの効きが甘くなった…」なんてことが起こり得るのは、このためです。

例えば、車検の時点でブレーキパッドの残量が、保安基準の最低ライン(例:1mm)をギリギリクリアしていたとします。

車検は「合格」です。でも、そのブレーキパッドが、次の1年間の走行で摩耗しきってしまったら?

当然、ブレーキが効かなくなりますよね。

1年点検は、まさにこうした「車検ではカバーしきれない、将来の安全」を確保するために行う「予防整備」なんです。

点検項目数も、1年点検がエンジンルームや足まわりなど、車の機能に直結する約27項目(※車種や資料により差異あり)であるのに対し、車検と同時に行う24ヶ月点検では、その倍近い約56項目(※同)と、見る範囲や目的が異なります。

【比較表】1年点検と車検の目的・項目の違い

比較項目法定12ヶ月点検(1年点検)車検(継続検査)
目的予防整備、故障の未然防止
(将来1年間の安全確保)
検査、保安基準適合確認
(”その時点”での合法性確認)
法的義務使用者の義務義務(受けないと公道走行不可)
罰則(未実施)自家用車は罰則なし罰則あり(公道走行した場合)
点検項目数(目安)約26~29項目約56~60項目(車検時=24ヶ月点検)
主なチェック内容ブレーキの利き具合、ベルト類の摩耗、オイル漏れなど、機能部品の状態チェックが中心ライトの光軸・光度、排ガス濃度、スピードメーター誤差など、保安基準との適合性チェックが中心

※点検項目数は車種や資料により異なる場合があります。

メーカー保証が失効する重大なリスク

さて、ここからは「罰則がない」ことの、ある意味で罰金よりも恐ろしい「経済的なリスク」についてお話しします。

特に、あなたの車が新車で購入してからまだ数年(一般的に3年~5年)であったり、中古車でも「延長保証」に加入していたりする場合、このセクションは絶対に読み飛ばさないでください。

結論から言うと、「罰則がないから」と1年点検を怠ると、本来なら無償で受けられたはずの、高額な「メーカー保証」による修理を拒否される可能性が非常に高いです。

保証書に書いてある「怖い一文」

あなたの車のグローブボックスに入っている(はずの)「保証書」や「メンテナンスノート」を、今度ぜひ確認してみてください。おそらく、どのメーカーのものでも、だいたいこんな感じの一文が載っているはずです。

「法令…で定められた点検…の未実施…に起因する不具合は保証修理いたしません」

これは、どういう意味か?

メーカーは「私たちの作った製品(車)に、製造上の問題(不具合)があれば、保証期間内は無償で修理しますよ」と約束してくれています。これがメーカー保証です。

ただし!

その大前提として、「あなたは、法律で定められた点検(=1年点検など)をちゃんと実施して、車を正しく管理・使用してくださいね」という“ドライバー側の義務”も同時に求めているわけです。

【要注意】点検不備による高額修理の例

仮に、あなたが1年点検を怠ったとします。

点検項目には「エンジンオイルの漏れ・汚れ・量」のチェックが含まれていますが、これをスキップしました。

その結果、あなたが気づかないうちにエンジンオイルが減少し、保証期間内(例:新車から2年目)にエンジンが焼き付いてしまったとします。

この場合、メーカーは「製品の不具合(製造ミス)ではなく、ユーザーが法令点検(オイル管理)を怠った(管理不十分)のが原因」と判断する可能性が高いです。

その結果、どうなるか?

保証修理は適用されず、数十万円から、車種によっては百万円以上にもなる高額なエンジン修理費用が、全額あなたの自己負担になってしまうんですよ…。

これはエンジンだけではありません。トランスミッション、パワーステアリング、エアコンなど、他の高額な部品でも同じことが起こり得ます。

たった1万円ちょっとの1年点検費用を節約したつもりが、将来の「数十万円の修理をタダで受けられる権利」そのものを失ってしまう…。これこそが、1年点検を放置する、最大の経済的リスクの一つだと私は思います。

放置や無視は将来の高額な修理費に

メーカー保証が切れた古い車だから「保証失効リスクは関係ないや」と思ったあなた。

ちょっと待ってください。

保証が切れている車ほど、このリスクは直接的にあなたのお財布を直撃しますよ。

1年点検は、先ほど「予防医療」だとお伝えしましたよね。

これはまさに「故障の早期発見・早期治療」の最大のチャンスなんです。

車の不具合というものは、人間と同じで、初期段階(初期症状)で対処すれば、比較的安価に、そして簡単に済むケースがほとんどなんです。

「予防コスト」 vs 「修復コスト」

ここで「予防コスト」と「修復コスト」という考え方をしてみてください。

【具体例1:冷却水(LLC)の漏れ】

  • 予防コスト(1年点検で発見):
    エンジンの奥にあるホースの接続部から、冷却水がほんのわずかに滲んでいるのをプロが発見。「このままだと危険ですよ」と、数千円のホースバンド交換や増し締めで対処完了。
    → 合計費用:数千円
  • 修復コスト(点検を無視・放置):
    滲みはやがて本格的な「漏れ」に。真夏の高速道路で冷却水が空になり、水温計がレッドゾーンへ…! オーバーヒートを引き起こし、エンジン自体が深刻なダメージ。最悪の場合、エンジン載せ替えで数十万円の請求。
    → 合計費用:数十万円

【具体例2:ブレーキパッドの摩耗】

  • 予防コスト(1年点検で発見):
    「パッドが残り3mmですね。次の点検までは持たないので、早めの交換をおすすめします」と指摘。ブレーキパッドの交換だけで済む。
    → 合計費用:約1万円~2万円
  • 修復コスト(点検を無視・放置):
    パッドがなくなり、ブレーキをかけるたびに「キーキー」音が「ゴゴゴー!」という金属音に。ブレーキディスクローター(円盤)まで削ってしまい、パッドとローター両方の交換が必要に。
    → 合計費用:約5万円~10万円(ローター交換は高額です)

点検費用は「節約」ではなく「投資」

もうお分かりですよね。

プロの整備士さんは「突然の故障による修理費用は、定期点検の費用をはるかに上回ることでしょう」と口を揃えます。

1年点検にかかる約1万円~2万円の費用は、「予防コスト」です。

これは、将来発生しうる、その何十倍もの高額な「修復コスト」を回避するための、最も合理的かつ安価な「投資」なんです。

「最近、車の調子が悪い気がする…」とドライバーが感じる前に、プロの目で「気づかない不具合」を見つけてもらうこと。

それこそが、1年点検の本当の価値なんですよ。

売却時の査定額が下がる可能性も

「安全のためにも、修理費のためにも、点検が大事なのはわかった。でも、もうすぐ乗り換える予定だから、この車にお金をかけるのはちょっとな…」

そう考えているあなた。

その判断、かえって「損」をしているかもしれませんよ。

1年点検の実施履歴は、あなたが将来、その車を手放す(下取りや買取に出す)際の「査定額」に、明確に影響するんです。

「点検整備記録簿」は車の履歴書

車を売却する時、ほぼ100%、買取店の査定士から「点検整備記録簿(メンテナンスノート)を見せてください」と言われます。

これは、その車が「いつ、どこで、どんな」法定点検やメンテナンス(エンジンオイル交換など)を受けてきたかを証明する、まさに「車の履歴書」であり「健康診断の記録」です。

さて、あなたが中古車を買う立場だったら、どちらの車を選びますか?

  1. 記録簿がビッシリ埋まっていて、「毎年ディーラーで点検を受けてきた」ことがわかる車
  2. 記録簿が真っ白(あるいは紛失)で、「過去の整備履歴が一切不明」な車

…当然、1番ですよね? 査定士も同じです。

査定士は「記録簿がない=整備不良」とみなす

この記録簿に1年点検の記録が抜けている(スタンプが押されていない)場合、査定士は「整備状況が不明瞭な車」と判断します。

もっと言えば、実質的に「整備されていないコンディションが悪い可能性がある車」とみなし、減点(マイナス査定)の対象とせざるを得ません。

なぜなら、買取店はあなたの車を買い取った後、それを整備して「中古車」として再販売するわけです。

整備履歴が不明な車は、買い取った後に、どこに不具合が隠れているかわからない「リスク」を抱えています。

そのリスク分(=再整備にかかるかもしれないコスト)を、あらかじめ査定額から差し引いておく必要があるんですね。

点検は「資産価値」を守る行為であり、回収できる投資

逆に、記録簿がしっかりしていて、1年点検を適切に受けていることが証明できれば、それは「この車は大事に扱われてきた、コンディションの良い車だ」という強力なアピール材料となり、プラス査定につながります。

例えば、日本自動車査定協会(JAA)の査定基準によれば、査定日から1年以内に法定整備(12ヶ月点検など)を受けている場合、その事実だけで15点(約15,000円相当)の加点となると言われています。

ここで、費用対効果を考えてみてください。

仮に1年点検の費用が11,000円だったとします。

でも、それを受けることで将来の売却時に査定額が15,000円アップするならば、差し引き4,000円のプラスですよね。

点検費用は、決して「払いっぱなしのコスト」ではなく、将来の売却時に「資産価値」として実質的に回収可能であり、むしろ利益を生む可能性すらある「投資」なんです。

点検を受けないことは、この加点の機会を失う(機会損失)だけでなく、整備不良とみなされ減点される(マイナス査定)という、二重の経済的損失につながる可能性が高いんですよ。

車の一年点検が期限切れ!対処法と費用ガイド

「放置するリスクは、もう十分わかった!」

「罰則はないけど、保証や査定、修理費のことを考えると、受けないとヤバいってことは理解した!」

…ですよね(笑)。

でも、いざ「期限が切れちゃった」という事実を前にすると、

「こんな状態で、ディーラーやお店に持っていっていいのかな…」

「怒られたり、追加料金取られたりしないかな…」

なんて、新たな不安が出てくるかもしれませんが心配は無用です。

期限切れに気づいた「今」からでも、まったく問題なく、普通に点検は受けられます。

ここでは、期限が切れてしまった後の、具体的な対処法や費用の目安を詳しく見ていきましょう。

期限過ぎたら、どこで受けられる?

結論からビシッとお伝えしますね。

どこでも、普通に、まったく問題なく受けられます!

1年点検の期限が過ぎてしまったからといって、ディーラーやカー用品店の受付で「期限切れなので、お断りします!」なんて言われることは絶対にありません。

ましてや、「期限が過ぎているので、割増料金(ペナルティ)として追加で5,000円いただきます」みたいな、「期限切れ追加料金」のようなものが請求されることも、一切ありません。

安心してください。お店側からすれば、あなたが「期限切れ」に気づいて、点検を受けに来てくれることは、むしろ大歓迎なんです。車の安全を守るのが彼らの仕事ですからね。

予約の時、どう伝えればいい?

「でも、電話でなんて言えば…」と、ちょっと気まずく感じているあなた。そんなに気負わなくて大丈夫ですよ。

いつも利用しているディーラーや、近所のオートバックス、イエローハット、整備工場などに、普通に電話して…

12ヶ月点検の予約をお願いしたいんですけど、ハガキを見たらちょっと期限が過ぎちゃってて…

と、正直にそのまま伝えればOKです。

お店の人は「あ、はい大丈夫ですよー!いつがご希望ですか?」と、ごく普通に対応してくれます。

彼らはプロですから、期限切れで焦って電話してくるお客さんなんて、日常茶飯事(?)かもしれません(笑)。

「怒られるかも…」なんて心理的なハードルは一切感じる必要ありません。

期限切れに気づいた今が、あなたの車を点検するベストなタイミング。ためらわずに、すぐに予約の電話を入れてみてくださいね。

ディーラーで受ける場合の費用と特徴

さて、実際に点検を受けるとして、まず選択肢の筆頭に挙がるのが「ディーラー」ですよね。

特に車を新車で買ったお店なら、一番馴染みがあるかなと思います。

ディーラーで受ける最大のメリットは、なんといっても「圧倒的な安心感」です。

ディーラーの安心感とは?

ディーラーの整備士さんは、他ならぬ「そのメーカーの車」を専門に扱っているプロ中のプロです。

豊富な知識と経験、そしてメーカーから提供される最新情報を持っています。

  • 車種固有の専門知識: あなたの車種特有の「弱点」や「壊れやすい箇所」を熟知しています。
  • 専用診断機(コンピュータ診断): 最近の車は電子制御だらけ。外から見ただけではわからないエンジンの状態や、電子システムの異常を、メーカー専用の診断機(テスター)で正確にチェックできます。
  • 純正部品の使用: 交換部品は、基本的にその車のために設計された「純正部品」を使用します。品質は折り紙付きですよね。
  • 保証・リコール対応: 先ほどお話しした「メーカー保証」との連携が最もスムーズです。万が一、点検で不具合が見つかり、それが保証の範囲内であれば、そのまま無償修理の手続きに進めます。リコールやサービスキャンペーン(無償修理)の情報も、その場でチェックして同時対応してくれます。

費用は、メーカーや車種(軽自動車か、普通車か)によって異なりますが、一般的な目安としてはこんな感じです。

【費用の目安(某ディーラーの例)】

  • 軽自動車:約11,000円~
  • 中型車(~2,000cc):約12,100円~
  • 大型車(2,001cc~):約13,200円~

(※あくまで基本料金です。部品交換が発生すれば別途費用がかかります)

確かに、後述するカー用品店などと比べると、基本料金や部品代(純正品のため)は、やや高めになる傾向はあります。ですが、それはこれら「専門性」や「安心感」に対する「安心料」と考えることができますね。

特に、まだ新車保証や延長保証の期間中にいるあなたは、記録を残すという意味でも、ディーラーで受けておくのが最も無難で、賢明な選択かなと私は思います。

オートバックスなどカー用品店の費用

「保証はもう切れているし、とにかく費用を抑えたい」

「点検ついでに、タイヤやバッテリーも安く交換したい」

そんなあなたには、オートバックスやイエローハット、ジェームスといった、お馴染みの「カー用品店」も強力な選択肢になりますよ。

カー用品店で受ける最大のメリットは、やはり「費用の安さ」と「部品選択の自由度」です。

安さと便利さのワケ

ディーラーと比べて、基本料金が比較的安価に設定されていることが多いのが特徴です。店舗や地域によりますが、費用の目安は以下の通り。

【費用の目安(某カー用品店の例)】

  • 基本料金:約8,800円~13,200円 程度

(※こちらも基本料金です。部品交換は別途)

なぜ安いのかというと、大量仕入れによるコストダウンや、様々なメーカーの車を効率よく点検するノウハウがあるからですね。

そしてもう一つの大きなメリットが、交換部品(消耗品)の選択肢がめちゃくちゃ豊富なこと。

例えば、点検の結果「バッテリーが弱ってますね」となった時、

  • ディーラーの場合: 「純正品バッテリー(高品質だけど高価)」一択、というケースが多いです。
  • カー用品店の場合: 「純正同等品(スタンダード)」「安価な互換品(とにかく安く)」「大容量・高性能品(せっかくだから良いものを)」といった具合に、あなたの予算やニーズに合わせて、棚にズラッと並んだ商品から選べるんです。

これはワイパーやエンジンオイル、タイヤなども同様です。点検と同時に他のメンテナンスも、自分の好みで、安く、まとめて済ませられる。この利便性とコストパフォーマンスは大きな魅力ですよね。

もちろん、店舗数が多いので「家の近所にある」というアクセスの良さもポイントです。

デメリットを挙げるとすれば、ディーラーほどの「車種固有の専門性」は期待できないかもしれません。非常に稀なトラブルや、複雑なコンピュータ診断が必要な場合は、「やはりディーラーでないと対応できない」と言われる可能性もゼロではありません。

ですが、法律で定められた1年点検の項目をきっちり実施してもらう分には、まったく問題ないレベルです。「保証も切れたし、基本的な点検と消耗品交換をリーズナブルに」と考える方には、とても合理的な選択肢ですよ。

1年点検の費用相場と所要時間

さて、「ディーラー」と「カー用品店」という二大選択肢を見てきましたが、ここで改めて、一般の整備工場(いわゆる「街のクルマ屋さん」)も含めた費用相場と、かかる時間を整理しておきますね。

どこに頼むか決める上での、比較検討材料にしてください。

依頼先別の費用と特徴まとめ

費用は、あくまで「基本点検料金」の目安です。あなたの車の状態(車種、年式、走行距離)や、どこまで整備するかによって、総額は大きく変わってきますからね。

【依頼先別】12ヶ月点検の費用相場と特徴(比較表)

依頼先費用相場(基本料金)特徴・メリットデメリット
ディーラー約11,000円 ~ 22,000円・メーカーの専門知識が豊富
・専用診断機による精密チェック
・純正部品使用による絶対的な安心感
メーカー保証との連携が最強
・費用は最も高額になる傾向
・部品の選択肢が少ない(純正品中心)
カー用品店
(オートバックス等)
約8,800円 ~ 13,200円基本料金が比較的安価
部品(社外品)の選択肢が豊富
・店舗数が多く利便性が高い
・他の作業(タイヤ交換等)も同時依頼しやすい
・整備士のスキルが店舗により差があるかも
・車種固有の深い知識はディーラーに劣る可能性
一般の整備工場
(地域の整備工場)
約10,000円 ~ 18,000円・費用はディーラーより安価な傾向
・地域密着で柔軟な対応が期待できる
・(付き合いが長ければ)融通が利くことも
・費用や技術力は工場によりバラツキが大きい
・初めてだと入りにくいかも
・最新鋭の設備はない可能性

「基本料金」と「別途費用」を理解しよう

一番大事な注意点です。

上記の費用は、すべて「法定27項目(など)をチェックする技術料」としての「基本料金」です。

点検の結果、整備士さんが「あ、これ交換しないとマズイですね」と判断した部品があれば、その「部品代」と「交換工賃」が、基本料金にプラスして別途発生します。

1年点検でよく交換が推奨される項目としては、

  • エンジンオイル、オイルフィルター
  • ブレーキフルード(ブレーキオイル)
  • ワイパーゴム
  • エアフィルター(エアコンフィルター)
  • バッテリー(診断結果による)

などがあります。もちろん、あなたの車の状態や、前回の交換時期によっては、何も交換しなくてOK(=基本料金のみ)というケースもありますよ。

お店によっては、これらの交換費用がセットになった「パック料金」を用意している場合もあるので、予約の際に確認してみるのが一番確実です。

所要時間はどのくらい?

点検にかかる所要時間の目安は、約120分(2時間)程度を見ているお店が多いです。

ただし、これも「基本点検」のみの時間。もし追加の整備(オイル交換やブレーキパッド交換など)が発生すれば、その分、プラスで30分~1時間程度かかります。

また、土日や祝日は点検の予約が集中して混み合うため、作業開始までに待たされたり、全体の時間が長引いたりすることも。平日に入庫できるなら、その方がスムーズに進むことが多いかなと思います。

「点検後、〇時までには車を使いたい」といった予定がある場合は、予約の際に「追加整備が出た場合、だいたい何時頃に終わりますか?」と、一言確認しておくと安心ですね。

車の一年点検、期限切れでもすぐ実施を:まとめ

さて、ここまで「車の一年点検 期限切れ」という、ちょっとドキッとするキーワードを軸に、その法的な位置づけから、放置するリスク、そして具体的な対処法まで、かなり詳しくお話ししてきましたが、いかがでしたか?

あなたの不安や疑問は、スッキリ解決できたでしょうか。

もう一度、この記事で一番お伝えしたかった、大事な結論をまとめますね。

車の12ヶ月点検は、自家用車の場合、期限切れになっても、あるいは受けなくても、直接的な「罰則」はありません

しかし、それは「罰則がないからこそ、ドライバーであるあなたの自己責任が、厳しく問われる」ということの裏返しです。

法律で定められた「義務」を怠った場合のペナルティは、「罰金」というわかりやすい形ではなく…

  1. 安全の喪失(重大な事故リスク)
    ブレーキ不良やエンジン停止など、あなたと大切な人の命に関わる危険性。
  2. 権利の喪失(メーカー保証の失効)
    本来タダで修理できたはずの、数十万円の修理費を自己負担する可能性。
  3. 資産価値の喪失(売却時査定額の低下)
    「整備不良車」とみなされ、数万円単位で査定額が下がる可能性。
  4. 経済的損失(高額な修理費用の発生)
    数千円で防げたはずの不具合が、放置により数十万円の修理に発展する可能性。

…といった、罰金よりも遥かに深刻で、取り返しのつかない「リスク」として、あなた自身に返ってくる可能性があるんです。

そして、これらの深刻なリスクはすべて、1年点検にかかる約1万円~2万円の費用で、そのほとんどを「予防」し、「回避」することができるんです。

そう考えると、1年点検にかかる費用は、単なる「コスト(出費)」ではなく、

「あなたと家族の安全を守り、高額な修理費から家計を守り、そして愛車の資産価値を守るための、最も安価で、最も賢明な『投資』」

だとは思いませんか?

「車の一年点検 期限切れ」に気づいた”今”が、その投資を実行し、安全と安心、そして経済的な合理性を確保するための、まさに最適なタイミングです。

「気まずいな…」なんて思う必要は一切ありません。

ぜひ、お早めに、お近くのディーラーやカー用品店に点検の予約をしてくださいね。

それが、あなたのカーライフを守る一番の近道ですよ。

【免責事項】

この記事で紹介した費用や点検項目、保証内容などは、すべて一般的な目安や事例に基づいています。実際の料金やサービス内容、保証の適用条件は、依頼するディーラー、整備工場、お車の状態、メーカーの保証規定によって異なります。

法律や保証に関する解釈も、個別の契約内容や状況によって変わる可能性があります。正確な情報や最終的な判断、具体的なお見積もりについては、必ずご利用のディーラーや整備工場、保険会社、または法律の専門家にご相談いただきますよう、お願いいたします。

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