- バッテリー強化液・強化剤は効果があるの?
- 補充液との違いはなに?
- パッケージに強化や回復に効果があると書いてあるが本当なの?
- バッテリーに悪影響はないの?
この記事ではこのような疑問にお答えします。
バッテリー強化液というものがカーショップなどで販売されていますよね。
バッテリーの機能を高めてくれたり、能力回復に役立つと書いてありますが本当なのでしょうか?
仕事上、15台ほど車を管理している立場にある当ブログの管理人(ヒロシ)がこの疑問について詳しく調べてみました。
実際にデメリットや効果はあったのかアンケート調査を行い、客観的なリサーチ内容をお伝えしています。
この記事を読むと以下のことがわかります。
- バッテリー強化液のデメリット|本当に効果があるのか?
- バッテリー強化液と補充液の違い
- バッテリー液の補充方法と手順
- バッテリー液の適切な選び方|おすすめの強化液と補充液
結論から先に申し上げると、バッテリー強化液にはデメリット、メリット両方があります。その特徴とどんな人におすすめなのか次からお伝えしてきます。
バッテリー強化液の6つのデメリット
バッテリー強化液のデメリットは次の6つです。
- 性能改善には限度がある
- コストがかかる
- 一部のバッテリーとの互換性がない
- 誤った使用は逆効果になる
- 一時的な解決策にしかならない
- 性能改善には限度がある
順に詳しく解説していきます。
バッテリー強化液は、バッテリーの電解液の状態を改善したり、バッテリー内部の硫酸塩結晶を分解したりすることで、バッテリーの性能を一時的に改善します。
しかし、これはバッテリーの劣化を遅らせるだけであり、既に劣化が進んでいるバッテリーの寿命を大幅に延ばすものではありません。
また、バッテリー内部のプレートが物理的に損傷している場合や、電解液が漏れている場合などは、強化液が有効に作用することはありません。
バッテリー強化液は一度だけでなく、定期的に使用する必要があります。
これにより、バッテリーの維持費用が増加します。
これが長期的には新しいバッテリーを購入するコストを上回ることもあります。
バッテリー強化液は、主に鉛酸バッテリー向けに開発されています。
そのため、リチウムイオンバッテリーなどの新しいタイプのバッテリーには適していない場合があります。
また、一部の強化液は、バッテリーの特定の部品と反応し、性能を低下させる可能性があります。
適切な使用方法を守らないと、バッテリー強化液は逆効果になることがあります。
例えば、適切な量を超えて使用した場合、バッテリー内部の化学反応を適切に制御できなくなり、バッテリーの性能を低下させたり、最悪の場合バッテリーを破損させたりする可能性があります。
バッテリー強化液は一時的な解決策であり、バッテリーの根本的な問題、つまり電解液の自然な蒸発や内部部品の自然な摩耗などを解決するものではありません。
また、過放電や過充電など、バッテリーの適切な管理がされていない場合、強化液を使用してもバッテリーの寿命は大幅に改善されません。
バッテリー強化液を使ってもバッテリーの機能が回復して新品のような状態になるといったことは期待できないでしょう。
これらのデメリットから、バッテリーの寿命が近づいてきた場合や長期的な性能改善が必要な場合は、新しいバッテリーの購入を検討することをお勧めします。
バッテリー強化液のデメリットをふまえた上で効果はあるのか?
バッテリー強化液のデメリットをお伝えしてきましたが、実際のところ本当に効果はあるのでしょうか?
私個人が調べた内容だけでは信憑性がないと思いましたので、アンケート調査を行い分析してみました。
- 50名の方にアンケート調査を実施
- バッテリー強化液を使用したことがあるか?
- 使用した方で効果を感じられた人はどれ位いるのか?
- 「効果を感じた」「感じなかった」その理由の聞き込み
【アンケート内容】
アンケート結果は以下のようになりました。
- バッテリー強化液を使ったことがある人 50名中22名(44%)
- 使ったことがある人の中で「効果があった」と感じた人 22名中4名(18%)
- 効果がなかったと感じた人 22名中18名(82%)
効果がないと感じた人が82%という割合になりました。
八割以上の方が効果を実感できなかったということになります。
主な理由は以下の6つです。
- 性能があがった実感がない(目に見える効果がないので実感がない)
- 使用前との違いがよくわからない
- 目に見えたパワーアップもなく、3、4年経てば劣化してバッテリーの買い替えとなるのは変わらなかったから
- エンジンの吹きあがりに違いが生じなかったから
- バッテリー強化液を使用し、その後にテスターで測ったら何も変わりがありませんでした
- そもそも効果があるものが、そんな安値で売られている訳がない
もっとも多い理由は「目に見える効果が実感できない」でした。
感覚的なことではありますが、劇的に改善したと感じない限り、効果として実感できないのではないでしょうか。
実際にテスターで計測した方もいらっしゃいましたが、「数値の変化はない」という回答がありました。
では、次に「効果があった」と回答していただいた4名の方の理由を見てみましょう。
- 自動二輪車に使用。放電が減少し、交換まで長くなったと感じるから
- 以前交換した同じ型のバッテリーより液の減るペースが遅くなり、比較的長持ちする様になった
- エンジンのかかりがよくなった
- バッテリーの持ちが良くなったから
このようにバッテリー性能やエンジンの調子が良くなったと感じた方もいらっしゃいました。
バッテリー交換をする場合、強化液を購入するより高額になるので、効果があった人は非常にコスパのよい結果になっていますね。
まとめると、バッテリー強化液を実際に使ってみたけれど、効果を感じないと答えた方が8割以上。一時的な効果として見込める場合もあるが、結果的にはバッテリーの寿命が伸びたりすることはないと言えます。
ここまで、バッテリー強化液のデメリットや効果についてお伝えしてきましたが、よくある疑問として「バッテリー補充液」とは何が違うのか?ということがあります。
バッテリー液には「強化液」と「補充液」の二種類があります。
どちらもともバッテリー能力の維持に使われますが、それぞれ異なる目的と特性を持っています。
それぞれの特徴について説明します。
バッテリー強化液は、バッテリーの寿命を延ばすため、また性能を一時的に改善するために使われます。
主にバッテリー内部の硫酸塩結晶を分解することでバッテリーの性能を改善します。
これは主に劣化したバッテリーに対して一時的な解決策として使用されます。
バッテリー強化液の主な特徴は以下の通りです。
- バッテリーの性能を一時的に改善する
- 劣化したバッテリーの寿命を延ばす
- 頻繁な使用が必要で、維持費用が増加する可能性がある
- 一部のバッテリーとは互換性がない可能性がある
- 誤った使用はバッテリーに損傷を与える可能性がある
バッテリー補充液は、主に電解液が蒸発したり漏れたりしたときに、その量を補うために使われます。
主に硫酸水素ナトリウム(別名:蒸留水)が使われます。
バッテリー補充液の主な特性は以下の通りです。
- バッテリーの電解液の量を補充する
- 電解液が蒸発したり漏れたりした際に使用される
- 補充液自体はバッテリーの性能を改善しない
- 鉛酸バッテリーでの使用が一般的で、特にメンテナンスフリータイプのバッテリーでは使用しない
- 量を適切に調整しないとバッテリーに損傷を与える可能性がある
このように、バッテリー強化液とバッテリー補充液は、それぞれ異なる目的と使用法を持つため、使用する前に正しい情報を確認し、適切に使用することが重要です。
バッテリー強化液とバッテリー補充液の利用価値は、主にその使用状況やバッテリーの状態によります。以下に、それぞれの液体がどのような人に役立つかを説明します。
以上の特徴を踏まえて、強化液がおすすめの方は以下の通りです。
- 古いバッテリーを持っている人:強化液はバッテリーの性能を一時的に向上させ、劣化が進んだバッテリーの寿命を延ばすことができます。
- バッテリーの交換が困難な人:すぐに新しいバッテリーに交換することができない場合、強化液が一時的な解決策として役立つことがあります。
ただし、バッテリー強化液はあくまで一時的な解決策であり、バッテリーが劣化や損傷の原因となる問題は根本的に解決できません。また、強化液の誤った使用はバッテリーを破損させる可能性があるため、注意が必要です。
補充液がおすすめの方は以下の通りです。
- メンテナンス可能な鉛酸バッテリーを使用している人:電解液の蒸発や漏れが発生した場合、補充液でその量を補うことができます。
- 自己メンテナンスを行う人:バッテリーのメンテナンスを自分で行う人は、定期的にバッテリーの電解液のレベルをチェックし、必要に応じて補充液で補うことが重要です。
注意点として、補充液自体はバッテリーの性能を改善するものではなく、量を適切に調整しないとバッテリーに損傷を与える可能性があります。また、メンテナンスフリータイプのバッテリーやリチウムイオンバッテリーなどには使用しないでください。
バッテリー液が減ってきていると気づいた際に、
「自分で補充すべきなのか?」
「それともディーラーや整備士さんにお願いした方が良いのか?」
迷うことがあると思います。
結論から申し上げるとバッテリーのタイプやあなたがどれだけ車に詳しいのかによります。
一般的に、メンテナンスフリーのバッテリーは電解液の補充を必要としません。
これらのバッテリーは、封じられた設計で、液体が蒸発したり漏れたりすることなく、バッテリーの寿命全体を通じて電解液を保持します。
一方、従来の(メンテナンス可能な)鉛酸バッテリーは、時間とともに電解液が蒸発するため、定期的に補充が必要になることがあります。
しかし、このタイプのバッテリーは現在ではあまり一般的ではありません。
電解液の補充はバッテリーにとって重要なメンテナンス作業の一部ですが、適切な知識と注意が必要です。
補充する電解液は通常、硫酸水素ナトリウム(別名:蒸留水)であり、電解液の量はセルの上部にある目印までです。
電解液を適切なレベルに保つことで、バッテリーの性能が維持され、寿命が延びます。
一方で、液体が下がった理由が漏れやバッテリーの損傷である場合、またはリチウムイオンバッテリーやゲルタイプのバッテリーなど、電解液を補充するべきでないバッテリーの場合、自分で補充しようとすると問題を引き起こす可能性があります。
まとめると、バッテリー液が減ってきたとき、自分で補充するかどうかは、そのバッテリーのタイプとあなた自身の知識・経験によります。あまり車に詳しくない方は、プロの整備士に相談することをお勧めします。
バッテリー液を補充することで、一時的な効果はあることが分かりました。
実際に強化液や補充液を使用して効果を試してみたい方もいらっしゃると思います。
そこでバッテリー液の補充方法について手順をお伝えします。
※バッテリー液の補充は、車の保守の重要な一部ですが、十分に注意深く行う必要があります。
- 防護眼鏡
- 防護手袋
- 蒸留水またはバッテリー液(電解液)
次の手順を確認し、安全にバッテリー液を補充してください。
- 安全装備を装着する
- エンジンを停止する
- バッテリーキャップを開ける
- 液面を確認する
- 蒸留水またはバッテリー液を追加する
- キャップを閉じる
防護眼鏡と手袋を装着し、肌や目が直接バッテリー液に触れないようにします。バッテリー液は皮膚や目に対して有害で、深刻な化学反応を引き起こす可能性があります。
車のエンジンを完全に停止します。車から離れて、エンジンが冷えるまで待ちます。
バッテリー上部のキャップをゆっくりと開けます。ほとんどの車では、各セルに対して個別のキャップがあります。
バッテリーの液面を確認します。バッテリーに表示されている「LOWER LEVEL」の下までバッテリー液が減っていたら追加のタイミングです。
セルが低い場合、蒸留水または専用のバッテリー液(電解液)を慎重に追加します。バッテリー液が過剰にならないように注意してください。液面がフィラー管を越えてしまうと、バッテリーが充電されるときに液が飛び散る可能性があります。
液の追加が終わったら、バッテリーのキャップをしっかりと閉めます。
バッテリー液が少ない原因が分からない場合や、頻繁に液を補充する必要がある場合は、専門の車の整備士に相談してください。
車のバッテリー液をチェックし、適切なタイミングで補充することは、バッテリーの性能を維持し、車の問題を予防するために重要なメンテナンスタスクです。
一般的に、車のバッテリー液のレベルは2~3ヶ月ごとにチェックすることを推奨します。これは一般的なガイドラインであり、頻繁に長距離を走行する、または極端な環境下で車を運転する場合は、月に1回の頻度でチェックしましょう。
メンテナンスフリーのバッテリーを使用している場合、液のチェックや補充は必要ありません。これらのバッテリーは密閉型で、液レベルの維持が不要です。
バッテリー液のレベルが低下している場合、すぐに補充する必要があります。バッテリー液は、バッテリーが正常に機能し、エネルギーを供給し続けるために必要です。
液レベルが低いと、バッテリーの寿命が短くなる可能性があります。
具体的には、バッテリーに表示されている「LOWER LEVEL」の下までバッテリー液が減っていたら、蒸留水または専用のバッテリー液(電解液)を追加します。
画像引用:https://eneos-generations.co.jp/pro-technique/835/
重要な点として、バッテリー液は硫酸と水で構成されており、取り扱いには十分な注意が必要です。
バッテリー液の補充に不安がある場合や、バッテリー液が頻繁に低下する場合は、プロの車の整備士に相談してください。
車のバッテリーに水を追加する際には、蒸留水(またはデミネラライズドウォーター)を使用することが推奨されます。
なぜなら、蒸留水はミネラルやその他の不純物を含んでいないため、バッテリーの内部に蓄積され、性能を低下させる可能性があるこれらの物質を排除するからです。
一般的な水道水は、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルを含んでおり、これらはバッテリーの電解液に混入すると、電極に付着して電気化学反応を妨げ、バッテリーの寿命を短くする可能性があります。
それに加えて、水道水に含まれる塩分は腐食を引き起こす可能性があります。
腐食はバッテリーの寿命を短縮し、それが機能しなくなる原因となります。
したがって、バッテリー液の補充には、不純物やミネラルを含まない蒸留水を使用することが最も良い選択です。
また、液レベルが頻繁に下がる場合は、バッテリーに問題がある可能性があるため、専門の車の整備士に相談してください。
車のバッテリー液の選び方にはいくつかの重要な要素があります。初心者でも扱いやすいバッテリー液を選ぶ際のポイントを以下に示します。
自動車用バッテリーには主に2つのタイプ、すなわち「準密閉型」(これは補充可能)と「完全密閉型」(補充不要)があります。バッテリーがどのタイプかをチェックし、それに応じてバッテリー液を選びます。準密閉型バッテリーの場合は、バッテリー液の補充が必要ですが、完全密閉型の場合は通常補充は必要ありません。
バッテリー液は主に硫酸と蒸留水から成る電解液です。市販のバッテリー液を選ぶ際は、製品が適切な成分比率を持っていることを確認してください。
バッテリー液が不足している場合、補充には蒸留水を使用することが一般的です。蒸留水はミネラルや不純物を含まないため、バッテリーの内部に堆積することはありません。水道水を使用しないように注意してください。
高品質のバッテリー液を選ぶことは重要です。信頼性の高いメーカーから製品を選ぶことを推奨します。
バッテリー液は化学物質であり、取り扱いには注意が必要です。バッテリー液の容器が防漏装置や安全キャップなど、適切な安全装置を備えていることを確認してください。
バッテリー液の選び方を参考にした上でおすすめのバッテリー液を強化液と補充液に分けて一つずつ紹介します。
【強化液】
古河薬品工業(KYK)のバッテリー強化液「タフセル250」
古河薬品工業(KYK)のバッテリー強化液「タフセル250」は、特殊添加剤により有害なサルフェーションを抑制し、水素弊害、自己放電も防ぎます。さらに、充電効率を向上させるため、バッテリーの寿命を延ばし、車のパフォーマンスも向上が期待できます。ゲルマニウム配合で、バッテリーに優しく効果的に作用します。
【補充液】
古河薬品工業(KYK) バッテリー補充液 2L
古河薬品工業(KYK)のバッテリー補充液2Lは、イオン交換法により高純度に精製されており、各種の有害イオンを含みません。これによりバッテリーの健康状態を維持し、パフォーマンスを向上させることが可能となります。さらに、この製品は電池工業会規格(SO404)に適合する優れた製品です。
- 強化液のデメリットは6つある
- 一時的な性能の向上効果は見込める
- アンケート調査では8割の方が効果を実感できなかった
- 補充液はバッテリー液が少なくなった場合に使用する
- 補充が必要かどうかはバッテリーのタイプと知識による
- バッテリー液のチェック頻度は2~3ヶ月に一回
- 補充方法については動画が分かりやすい
- おすすめの強化液・補充液はAmazonで購入可能
バッテリー強化液のデメリットについて詳しくお伝えしてしてきました。
強化液にはメリット・デメリットがありますが、デメリットの方が大きいと感じました。
その理由としては、以下のようなことが考えられるからです。
- バッテリー強化液を使っても一時的な効果しか見込めない
- 効果を感じられない場合もある
- 補充をするのには適切な手順を踏む必要があり、少し知識が必要
- 長期的に考えるとバッテリーを交換した方がコスパは良い
例えば、自分で補充するのにも手順や注意事項をしっかり確認しなければなりません。
もし間違えるとバッテリー自体が故障する恐れがあります。
また、強化液は硫酸なので、目や手に付着しないように注意する必要もあります。
それで効果が感じられなかったら、がっかりすると思いませんか(;^ω^)
よって車に詳しく、補充する手間を惜しまない方であれば効果的だと思いますが、それ以外の方であればバッテリー強化液を使うよりもバッテリーを交換した方が良いかなと思います。
バッテリー液の選び方や補充する方法などは参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。