一時期、高級車の象徴として登場し、かっこいいと注目されたシーケンシャルウインカー(流れるウインカー)ですが、最近ではダサい、時代遅れという声も聞かれます。
流れるウインカーはうざいと感じる人もおり、軽自動車にまで普及したことで、採用をやめるメーカーも出てきました。
また、シーケンシャルウインカーは見にくいといったデメリットや、そもそも違反なのではないか?といった疑問、さらには車検に適合しない理由についても気になるところです。
現在シーケンシャルウインカーを採用している車種はどのようなものがあるのでしょうか。
さらに、最近では鼓動ウインカーやダブルファンクションウインカー、デイライトウインカー兼用タイプも登場していますが、これらもダサいという評価があるようです。
この記事では、こうした様々な疑問にお答えし、流れるウインカーの現状と今後について徹底解説します。
- 流れるウインカーがダサいと言われる理由
- かっこいい点や採用車種などの現状
- 車検や違反に関する法的なポイント
- 新しいウインカーのトレンドと評価
なぜシーケンシャルウインカーはダサい・時代遅れと言われるのか
- 流れるウインカーはうざい?時代遅れ?という評判
- シーケンシャルウインカーは見にくい?そのデメリットは?
- 軽自動車への普及
- メーカーがシーケンシャルウインカーをやめる理由
- デイライトウインカー兼用がダサいと言われる訳
流れるウインカーはうざい?時代遅れ?という評判
シーケンシャルウインカー、通称「流れるウインカー」は、登場当初こそ先進的なイメージで注目を集めましたが、現在ではユーザーの評価が大きく分かれています。特にインターネットの口コミサイトなどでは、「ダサい」「時代遅れ」といった厳しい意見が目立ちます。
具体的には、以下のような声が挙がっています。
否定的な評判の例
- 停止中に前の車がチカチカしていると目障りでイライラする
- 貧乏ゆすりをずっと見せられている気分になる
- トラックのようで品がなく、乗用車には似合わない
- 昭和40年代の自転車にあった電子フラッシャーを思い出し、今さら感が強い
- 完全に自己満足の装備だと思う
特に、LEDの光が強すぎたり、流れ方がスムーズでなかったりする安価な後付け品に対しては、批判的な意見が集中しやすい傾向にあります。
一方で、「時代の流れでかっこいい」「アウディのように綺麗な流れ方ならスタイリッシュ」といった肯定的な意見も少数ながら存在し、製品のクオリティや車種との相性によっても印象が大きく変わることがうかがえます。
確かに、信号待ちで目の前の車がずっと流れるウインカーを出していると、気になってしまう気持ちは分かりますね。登場から時間が経ち、多くの人の目に触れたことで、当初の目新しさが薄れてしまったのかもしれません。
シーケンシャルウインカーは見にくい?そのデメリットは?

シーケンシャルウインカーの評価が分かれる一因として、デザイン性の他に機能面でのデメリットが指摘されています。
本来、方向指示器は周囲の車や歩行者に自車の進路を明確に伝えるための重要な保安部品ですが、その役割を果たせているのか疑問視する声があるのです。
視認性に関するデメリット
最大のデメリットは、視認性の低下を指摘する意見があることです。
通常の点滅式ウインカーは、ランプ全体が一度に光るため、瞬間的に大きな発光面積を確保できます。
しかし、シーケンシャル式はLEDが順番に点灯していくため、「単位時間あたりの発光面積が小さくなる」という見方があります。
これにより、特に昼間や悪天候時、遠くから見た場合に、どちらに曲がるのか認識しづらいと感じるドライバーもいるようです。
その他のデメリット
機能面以外にも、いくつかのデメリットが考えられます。
機能・維持に関するデメリット
- 修理費用が高額になる可能性:LEDユニットが故障した場合、部分的な修理ができず、ヘッドライトやテールランプ一式(アッセンブリー)での交換が必要になるケースが多く、費用が高額になりがちです。
- 部品供給の不安:モデルチェンジで廃止された装備のため、数年後に部品が手に入りにくくなる可能性があります。
- 後付け品のリスク:車検に対応していない製品や、取り付け方が不適切な場合、光量不足や動作不良で安全性を損なう危険があります。
このように、見た目の好みだけでなく、安全性や維持費の観点からもデメリットが存在することが、シーケンシャルウインカーへの否定的な評価につながっていると考えられます。
軽自動車への普及

シーケンシャルウインカーが「ダサい」「時代遅れ」と言われるようになった大きな転換点として、軽自動車への普及が挙げられます。
2010年代、アウディやレクサスといった海外・国内の高級車ブランドが採用を始めた当初、流れるウインカーは「高級感」や「先進性」の象徴でした。高価格帯のモデルに限定された特別な装備であり、多くのユーザーにとって憧れの対象だったのです。
しかし、その流れは2017年に大きく変わります。
ホンダが国民的な人気車種である「N-BOX カスタム」にシーケンシャルウインカーを標準装備したのです。これを皮切りに、ダイハツの「タント カスタム」など、他の軽自動車や大衆車にも採用が広がりました。
この現象は、かつて一世を風靡した「デジタルメーター」の流行とよく似ています。
登場初期は未来的で高級なイメージでしたが、大衆車にまで普及すると特別感がなくなり、やがてアナログメーターに回帰していきました。シーケンシャルウインカーも同様の道を辿っているのかもしれません。
多くの人が乗る軽自動車にまで普及したことで、シーケンシャルウインカーの希少価値は薄れ、「誰もが付けているありふれた装備」というイメージに変わりました。
その結果、かつて抱かれていた高級感が失われ、かえって「安っぽく見える」「ダサい」と感じる層が増加したと考えられます。
メーカーがシーケンシャルウインカーをやめる理由
ユーザーの評価の変化を裏付けるように、一時は積極的に採用していた自動車メーカーが、モデルチェンジを機にシーケンシャルウインカーを廃止する動きが顕著になっています。
その代表例が、国内市場をリードするトヨタとレクサスです。
車種 | 先代モデル | 現行モデル |
---|---|---|
レクサス NX | 採用 | 廃止 |
レクサス RX | 採用 | 廃止 |
トヨタ ハリアー | 採用 | 廃止 |
かつてはブランドの売れ筋モデルにこぞって搭載していましたが、現在レクサスでシーケンシャルウインカーが残っているのは、最上級セダンの「LS」のみとなっています。
この背景には、単に流行が終わったからというだけでなく、メーカー側のいくつかの理由が存在します。
メーカーが採用をやめる主な理由
- ユーザーの嗜好の変化:前述の通り、「ダサい」「見にくい」といった否定的な意見が増え、市場での需要が低下したこと。
- デザイン上の制約:シーケンシャルウインカーは、光が流れる様子をきれいに見せるために、ランプユニットにある程度の横幅が必要です。これにより、近年のトレンドであるシャープで自由なヘッドライトデザインの制約になる場合があります。
- コストの問題:LEDを連続的に制御するための専用ユニットが必要となり、通常の点滅式ウインカーよりもコストがかかります。
メーカーの開発者からも「いまでは採用が始まった当時ほど新しさは感じませんし、メリットは少ないと思います」といった声が聞かれるように、コストやデザインの制約をかけてまで採用し続けるメリットが薄れたことが、廃止の流れを加速させていると言えるでしょう。
デイライトウインカー兼用がダサいと言われる訳
シーケンシャルウインカーの流行が落ち着く一方で、新たなトレンドとして広まっているのが「デイライト・ウインカー兼用タイプ」です。
これは、普段は白色のデイライト(昼間走行灯)として点灯している部分が、ウインカー作動時に消灯し、同じ場所がオレンジ色に点滅する仕組みです。
しかし、この新しい方式に対しても、ユーザーからは「ダサい」という厳しい評価が寄せられています。
デイライト兼用ウインカーがダサいと言われる理由
- ウインカーを出している側だけデイライトが消えるため、片方のライトが球切れしているように見える。
- デザイン的に妥協してコストを削った「手抜き」のように感じる。
- 丸目の車種(ホンダ N-ONEなど)では、白目の部分が充血したように見えて気味が悪い。
このタイプは、部品点数を減らせるためコスト削減やデザインの自由度に貢献する一方で、ユーザーからは「安っぽさ」や「違和感」として受け取られてしまうケースがあるようです。
特に、デイライトを消灯させずに減光してウインカーを点滅させるタイプと比較して、完全に消灯するタイプは「球切れ感」が強いと不評を買う傾向にあります。
これも好みが分かれるポイントですね。
機能的には合理的でも、見た目の印象がユーザーの感性に合わないと「ダサい」と評価されてしまう、デザインの難しさを感じさせます。
ダサい・時代遅れ?流れるウインカーの今後と法的側面
- シーケンシャルウインカーがかっこいいという声も
- シーケンシャルウインカーを採用している車種一覧
- そもそも流れるウィンカーは違反ですか?
- シーケンシャルウインカーは車検に適合しない理由
- 鼓動やダブルファンクションウインカーもダサい?
シーケンシャルウインカーがかっこいいという声も
これまで否定的な意見を中心に見てきましたが、もちろんシーケンシャルウインカーを「かっこいい」と評価する声も根強く存在します。特に、特定の車種や条件下では、その魅力が最大限に引き出されると考えられています。
アンケート調査などでは、以下のような肯定的な意見が見られます。
肯定的な評価の例
- 光が流れる様子がスタイリッシュで先進的
- 高級車に付いているイメージがあり、所有欲を満たしてくれる
- 通常の点滅より動きがあって個性的で目立つ
- 運転が楽しくなりそうな気がする
特に、トヨタのアルファード/ヴェルファイアのような、押し出しの強いデザインの大型ミニバンとは相性が良いとされています。
車の迫力あるエクステリアと、主張の強いシーケンシャルウインカーが絶妙にマッチし、ラグジュアリー感を高めているという分析です。
実際に、新型アルファード/ヴェルファイアではユーザーからの根強い支持を背景に、継続して採用されています。
また、「連鎖的に点灯するため遠目にも認識しやすい」という機能的なメリットを挙げる声もあり、一概に「ダサい」「時代遅れ」と断じることはできない、奥深い魅力を持った装備であると言えるでしょう。
シーケンシャルウインカーを採用している車種一覧
流行が落ち着き、採用車種は減少傾向にありますが、現在でも一部の新型車ではシーケンシャルウインカーが純正採用されています。
特に、デザインとの親和性が高い車種や、高級感を演出したいモデルで採用が継続されています。以下に、2024年時点で確認できる主な国産の採用車種をまとめました。
メーカー | 車種名 | 備考 |
---|---|---|
トヨタ | アルファード / ヴェルファイア | フロント・リアに採用。グレードによる。 |
クラウン | RS系グレードなどに採用。 | |
レクサス | LS | レクサスブランドで唯一の現行採用車種。 |
日産 | アリア | 全グレード標準装備。 |
ノート オーラ | フロントに採用。 | |
エクストレイル | 上位グレードに採用。 | |
ホンダ | N-BOX カスタム | 軽自動車でいち早く採用。 |
ヴェゼル | e:HEVモデルに採用。 | |
ダイハツ | タント カスタム | 上位グレードに採用。 |
注意:上記は一例です。年式やグレードによって装備の有無は異なりますので、正確な情報は各自動車メーカーの公式サイトやカタログでご確認ください。
かつて採用していたハリアーやレクサスNX/RXなどが廃止した一方で、アルファード/ヴェルファイアや日産のアリアなど、車のキャラクターに合うと判断されたモデルでは、依然として魅力的な装備として生き残っていることがわかります。
そもそも流れるウィンカーは違反ですか?
「流れるウインカーは派手だから違反なのでは?」と心配する声がありますが、結論から言うと、保安基準に適合したシーケンシャルウインカーは合法であり、違反ではありません。
日本では2014年10月の道路運送車両法に関する保安基準が改正され、「連鎖式点灯方向指示器」として正式に認可されました。これにより、メーカー純正品はもちろん、基準を満たした社外品(アフターパーツ)を取り付けることも可能です。
ただし、注意が必要なのは、保安基準を満たさない製品を取り付けた場合です。
この場合、「不正改造」とみなされ、厳しい罰則の対象となります。
不正改造とみなされた場合の罰則
道路運送車両法に基づき、6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
特に、インターネットなどで安価に販売されている海外製の製品の中には、日本の保安基準に適合しないものが多く含まれています。
後付けでシーケンシャルウインカーを装着する際は、必ず「車検対応」と明記された信頼できる製品を選ぶことが極めて重要です。
シーケンシャルウインカーは車検に適合しない理由
「車検対応」の製品を選んでも、取り付け方や車の状態によっては車検に通らないケースがあります。シーケンシャルウインカーが車検で不適合(NG)となる主な理由を理解しておくことが大切です。
国土交通省が定める保安基準には、光り方や取り付け位置に関する細かい規定があります。
車検適合のための主な保安基準
- 光は内側から外側に向かって、水平方向に流れるように点灯すること。
- 点灯したLEDは、全てのLEDが点灯し終わるまで消えないこと。
- 全てのLEDが点灯した後に、全体が同時に消灯すること。
- 点滅の周期は、毎分60回以上120回以下の一定周期であること。
- 左右のウインカーの点滅周期や流れ方が完全に対称であること。
- ウインカーの色は橙色(オレンジ色)であること。
これらの基準から外れると、車検には通りません。特に不適合となりやすい代表的なケースは以下の通りです。
不適合となる主なケース | 理由 |
---|---|
縦長のランプで下から上に流れる | 保安基準で「水平方向」と定められているため。ハイエースなどの縦型テールランプに後付けした場合に起こりやすいです。 |
LEDの一部が点灯していない(球切れ) | 整備不良とみなされます。1つでもLEDが切れていると不適合です。 |
点滅速度が速すぎる・遅すぎる | 毎分60~120回の規定から外れるため。いわゆる「ハイフラ」状態もNGです。 |
光の色がオレンジ以外(青や白など) | ウインカーの色は橙色と定められています。他の色と切り替わる多色タイプも注意が必要です。 |
後付けパーツには、スイッチで通常点滅モードとシーケンシャルモードを切り替えられる製品もあります。車検の時だけ通常モードにする、という使い方を想定しているかもしれませんが、保安基準への適合性をよく確認してから選ぶのが安心ですね。
鼓動やダブルファンクションウインカーもダサい?
シーケンシャルウインカーの流行が一段落した今、自動車メーカー各社は新たなライトの表現を模索しています。
その代表格が、マツダが採用する「ディミングターンシグナル(通称:鼓動ウインカー)」と、多くのメーカーが採用を進める「ダブルファンクションウインカー」です。
マツダの「鼓動ウインカー」
マツダがCX-30などで採用したこのウインカーは、パッと強く光った後にじわっと柔らかく消えていくのが特徴です。
「生命感」をテーマにした魂動デザインの一環で、まるで生き物の心臓の鼓動のような穏やかな点滅を表現しています。
しかし、この独特の表現は、見方によっては「従来の電球(バルブ)の光り方に似ている」とも言え、最新技術を使いながらもどこか懐かしい、レトロな印象を与えるため、好みが分かれるかもしれません。
トレンドの「ダブルファンクションウインカー」
先にも触れましたが、これはデイライトとウインカーの機能を1つのライトで兼用する方式です。
デザインがスッキリし、コスト面でも有利なため、今後の主流になると見られています。
しかし、こちらも「片側だけ消えて球切れに見える」「安っぽい」といった理由で「ダサい」という評価が付いて回ります。
結局のところ、ウインカーのデザインは「先進性」と「視認性」、そして「ユーザーの感性」のバランスを取るのが非常に難しい領域だと言えます。一つのトレンドが生まれれば、必ずそれに対する賛否両論が巻き起こるのです。
シーケンシャルウインカーがそうであったように、これらの新しいウインカーも、今後の普及度合いや世間の評価によって、「かっこいい」トレンドになるか、「ダサい」過去の装備になるかの道を辿っていくことになるでしょう。

この記事では、シーケンシャルウインカー(流れるウインカー)が「ダサい」「時代遅れ」と言われる理由から、その魅力、法的側面、そして今後のトレンドまでを幅広く解説しました。
最後に、記事の要点をまとめます。
- 流れるウインカーはダサい・時代遅れという否定的な意見がある
- 一方でかっこいい・先進的という肯定的な声も存在する
- ネット上では目障り・うざいといった厳しい口コミも多い
- 軽自動車への普及で希少価値と高級感が薄れたのが一因
- レクサスやハリアーなどメーカーが採用をやめる車種も増加している
- 理由にはユーザーの嗜好の変化やコスト、デザイン上の制約がある
- 光が流れるため単位時間の発光面積が小さく見にくいという指摘がある
- 修理が高額になったり部品供給がなくなったりするリスクも存在する
- 保安基準に適合していれば違反ではなく車検も問題なく通る
- LEDの球切れや縦方向の流れ、点滅周期の異常は車検で不適合となる
- アルファードなど迫力のある大型車には似合うという評価が高い
- デイライト兼用ウインカーは球切れに見えてダサいという声がある
- マツダの鼓動ウインカーなど新しい表現方法も登場している
- ダブルファンクションウインカーが今後の主流になる可能性が高い
- 最終的な評価は個人の好みや車種との相性に大きく左右される