スマートフォンやパソコンなど、日常生活で頻繁に使用するデバイスのバッテリー膨張は、にとって深刻な問題となります。
特に、リチウムイオンバッテリーが膨張すると、デバイスの物理的な損傷や発火のリスクが高まります。
その対策として「膨張したバッテリーを冷やすのは正しいのか?」
この疑問にお答えします。
さらに、本記事では、バッテリー膨張の原因と、それに対する適切な対処法について詳しく解説します。
デバイスのバッテリーを安全に、そして長持ちさせるための知識を身につけてください。
- スマホのバッテリー膨張の原因と対策
- バッテリー膨張時のガス抜きの重要性
- 膨らんだバッテリーをそのまま使い続けるリスク
- 膨らんだスマホの安全な保管方法
バッテリーが膨張した状態で冷やすのはNG
結論から申し上げますと、バッテリーが膨張した状態で冷やす行為は絶対に避けるべきです。
その理由は、膨張したバッテリーは内部で化学反応が活発化しており、冷やすことでその反応が不安定になり、さらなる損傷や最悪の場合、爆発につながる可能性があるからです。
具体的には、バッテリー内部のリチウムイオンが急速に移動し、これが過熱や膨張を引き起こします。このような状態で冷やすと、リチウムイオンの移動が不規則になり、バッテリーの内部構造に深刻なダメージを与える可能性があります。
また、膨張したバッテリーを無理に押さえつける行為も避けるべきです。
これは、バッテリーのガス漏れを防ぐシートの耐久性が低下し、破裂する危険性が高まるためです。
さらに、バッテリーを急激に冷却すると結露が発生し、水没故障などのトラブルにつながる可能性があるため、保冷剤や冷蔵庫の使用は避け、冷却ファンや冷却シートなどで少しずつ熱を冷ますようにしましょう。。
膨張したバッテリーを自分で分解修理するのも絶対にNGです。
リチウムイオン電池に衝撃を加えると、ガスが漏れて発火する危険性があります。
膨張したバッテリーを確認したら、すぐに使用を停止し、専門の修理店に相談することが最善の対策です。
バッテリー膨張の原因とは
そもそも、バッテリーが膨張する原因は何でしょうか?
バッテリーの膨張は、主にバッテリー内部に発生したガスが原因です。
バッテリーを長時間にわたり充電し続けると、内部のリチウムイオンバッテリーが徐々に劣化し、内部でガスが発生するようになります。
これが過熱や膨張を引き起こします。
また、バッテリーの使用環境が高温であったり、物理的な衝撃を受けたりすると、バッテリー内部の化学反応が不安定になり、膨張を引き起こす可能性があります。
このため、バッテリーの取り扱いには十分な注意が必要です。
リチウムイオンバッテリーとは
iPhoneをはじめとするスマートフォンやパソコンに使われているバッテリーは、繰り返し充電ができるタイプの電池で「リチウムイオンバッテリー」といいます。
その特徴は、軽量でありながら高いエネルギー密度を持つことで、小型化と長時間の使用が可能となっています。
リチウムイオン電池の仕組みは、正極と負極、そして電解液で構成されています。
充電する際には、正極側にあるリチウムイオンが電解液を通して負極側に移動し、電位差が生じることで電気を作ります。
放電は、外部の回路を通って負極側にあるリチウムイオンが正極側に移動し、電気エネルギーを放出する仕組みです。
リチウムイオンバッテリーには注意点もあります。
経年劣化によって電解質の酸化が電池内部で起こり、この際の反応としてガス発生も同時に起こります。
このガス発生が膨張の原因となるわけです。
また、電池パック自体が不良品であり電池内部に作製時の金属片などの異物が紛れ込み、この異物がセパレータを突き破ることで内部短絡を起こす場合もあります。
大きい面積で内部短絡が起これば、電池の爆発(破裂・発火)につながる場合もあります。
バッテリーが劣化する原因
バッテリーの劣化は、主に過充電、過放電、高温環境下での使用、物理的な衝撃などが原因となります。
特にリチウムイオンバッテリーは、充電と放電を繰り返すことで徐々に性能が低下し、これが劣化を引き起こします。
また、バッテリー内部のリチウムイオンが不規則に移動すると、内部構造が崩れ、これが膨張や発火の原因となることもあります。
このような理由から、バッテリーの取り扱いには十分な注意が必要となります。
膨張させない為の4つの予防策
バッテリーが膨張する原因やリチウムイオン電池の仕組みが分かったところで、膨張を防ぐための対策をお伝えします。
バッテリーの膨張を防ぐためには、以下の4つ予防策が推奨されます。
- 過充電と過放電を避ける
- 適切な使用環境を保つ
- 物理的な衝撃を避ける
- 低品質の充電ケーブルを避ける
バッテリーの充電は20%以下になったら始め、80%程度で止めると良いとされています。
これは「過充電」すなわち「必要量以上の充電」を避けるためです。
充電残量が100%になったらケーブルを抜くなど、「充電し過ぎ」に注意しましょう。
スマホを利用するうえで充電は絶対に必要になるので、充電の仕方を意識することは重要な膨張対策となります。
スマホには「充電の最適化」という機能が備わっています。
まさにバッテリーの劣化を防ぐ機能なんですが、詳しい内容はこちらの記事で解説しています。
よろしければ参考にしてください。
バッテリーの使用環境を適切な温度に保つことも重要です。
高温環境下ではバッテリー内部の化学反応が活発化し、これが膨張や発火の原因となる可能性があるためです。
また、湿気の多いお風呂や潮風の強い海岸での使用も避けたほうが良いでしょう。
バッテリーに物理的な衝撃を与えないことも重要です。
例えば、スマホをお尻のポケットに入れて座ると、その圧力でバッテリー内部でショートを起こし発火に繋がるケースもあります。
低品質の充電ケーブルは、充電時の電圧が不安定で内部のチップが損傷する、回路にダメージが溜まってしまう、といったデメリットもあります。
これらの予防策を講じることで、バッテリーの膨張を防ぐことが可能となります。
iphoneバッテリーを長持ちさせるコツ
iPhoneのバッテリーを長持ちさせるためには、以下のような具体的な方法があります。
iPhoneの液晶画面はバッテリー消費の大部分を占めています。そのため、画面の明るさを暗めに設定することで消費を抑えることが可能です。また、使わない時は早めに画面をオフにすることも効果的です。
iPhoneには、バッテリーを消耗しているアプリを特定できるツールが組み込まれています。設定からバッテリーを選択し、過去10日間のアプリのバッテリー使用量を確認できます。使用量が多いがあまり活用していないアプリは削除することを検討しましょう。
iPhoneには、一部の機能を制限してバッテリーを節約できる「低電力モード」があります。メールの取得や自動ダウンロード、一部のビジュアルエフェクトなどが制限されますが、これによりバッテリーの消費を抑えることが可能です。
iPhoneのバッテリーは、高温や湿度の高い環境を嫌います。そのため、使用・充電している環境にも配慮が必要です。特に、直射日光が当たる窓辺や、温度が上がりやすい車の中などは避けるようにしましょう。
これらの対策を講じることで、iPhoneのバッテリーを長持ちさせることが可能です。
バッテリー膨張の対処法と冷やす行為の影響
リチウムイオンバッテリーが膨張してしまった場合、その対処法は主に3つ存在します。
- 新しいバッテリーと交換する
- バッテリーの使用環境を見直す
- 充電方法を見直す
最も確実な方法は、膨張したバッテリーを新しいものと交換することです。
バッテリーの膨張は内部構造の破壊を示す可能性が高いため、交換は最も安全な対応策と言えます。
次に、バッテリーの使用環境を見直すことも重要です。
リチウムイオンバッテリーは高温や湿度の高い環境を避けるべきです。適切な温度と湿度を保つことで、バッテリーの膨張を防ぐことが可能となります。
最後に、バッテリーの充電方法を見直してみましょう。
過充電や過放電はバッテリー膨張の大きな原因となります。適切なタイミングでの充電と、過充電や過放電の防止が必要です。
また、バッテリーが膨張した場合、自身での対処は困難であり、専門業者への修理依頼が推奨されます。
特にiPhoneの場合、Appleや正規サービスプロバイダ店でのバッテリー交換が可能です。
Androidの場合は、購入したキャリアに修理を依頼することが一般的です。
これらの対処法を適切に行うことで、バッテリー膨張によるリスクを最小限に抑えることが可能となります。
スマホのバッテリー膨張を戻す方法
スマホのバッテリーが膨張した場合、まずは専門の修理店に相談することをおすすめします。
なぜなら、バッテリーの膨張は内部での化学反応が不安定になっている証拠であり、適切な知識と技術がないと危険な状況を招く可能性があるからです。
一方で、バッテリーの交換が必要な場合、多くのスマホメーカーでは有償での交換サービスを提供しています。
例えば、Appleでは、iPhoneのバッテリー交換料金は一律6,000円(税別)となっています。
専門の修理店やメーカーのサポートを利用することで、安全にバッテリー膨張の問題を解決することが可能です。
バッテリー膨張時のガス抜きの重要性
バッテリーが膨張した場合、内部でガスが発生している可能性があります。
このガスは、バッテリー内部の化学反応により発生し、これが膨張の主な原因となります。
したがって、バッテリーが膨張した場合は、専門の修理店でガス抜きを行うことが重要です。
ただし、ガス抜きは専門的な知識と技術を必要とする作業であり、自己判断で行うことは避けるべきです。
また、ガス抜きを行った後は、必ず新しいバッテリーに交換することが必要です。
一度膨張したバッテリーは内部構造が崩れており、再使用することは非常に危険だからです。
膨らんだバッテリーをそのまま使い続けるリスク
膨らんだバッテリーをそのまま使い続けると、さまざまなリスクが伴います。
バッテリーが膨張すると、スマートフォンの内部に圧力がかかり、液晶画面が割れるなどの物理的な損傷を引き起こす可能性があります。
バッテリー内部の化学反応が不安定になると、発熱や発火のリスクも高まります。
特にリチウムイオン電池はエネルギー密度が高く、大きなエネルギーを内部に持っています。
そのため、異常を感じた場合はすぐに使用を停止することが推奨されます。
さらに、バッテリーの性能も低下している、充電の持ちが悪くなるなども問題が生じます。
これらのリスクを避けるためには、膨らんだバッテリーを発見した場合はすぐに使用を停止し、専門の修理店に相談することが重要です。
また、自分でバッテリーを分解したり、無理に押し付けたりする行為は避けるべきです。
これらの行為はバッテリーをさらに損傷させ、火災や爆発の原因となる可能性があります。
膨らんだリチウム電池の適切な捨て方
膨らんだリチウム電池の適切な処分方法については、安全性と環境保護の観点から十分に注意する必要があります。
リチウム電池は不適切な処理を行うと発火のリスクがあるため、以下のような手順を踏むことが推奨されます。
- リチウム電池は一般のゴミとは別に、指定の回収ボックスに捨てる必要があります。多くの家電量販店やスマホの販売店では、リチウム電池の回収ボックスを設置しています。
- 自治体によっては、リチウム電池の定期回収を行っている場合もあります。その場合、自治体のルールに従って処分することが求められます。
- リチウム電池の処分方法は自治体によって異なるため、廃棄前に、お住いの自治体の清掃事務所やごみ処理窓口などに問い合わせ、処分方法について確認することが重要です。
- リチウム電池が原因の火災が増えており、不燃ごみ処理施設などでもリチウム電池が原因の発火が発生しています。そのため、リチウム電池の捨て方には十分に注意してください。
以上のように、リチウム電池の適切な処理方法を知り、実行することで、環境への影響を最小限に抑えることが可能です。
また、リチウム電池の処分については、専門業者に依頼することも一つの選択肢となります。
スマホのバッテリー膨張時の無償交換情報
スマホのバッテリーが膨張した場合、メーカーによっては無償での交換サービスを提供している場合があります。
例えば、Appleでは、一部のiPhoneモデルについて、製造上の問題によりバッテリーが膨張する可能性があると認め、無償でのバッテリー交換プログラムを実施しています。
ただし、このサービスは特定のモデルと製造期間に限定されており、また一定の条件を満たす必要があります。
スマホのバッテリーが膨張した場合は、まずはメーカーのサポートに問い合わせてみることをおすすめします。
膨らんだスマホの安全な保管方法
バッテリーが膨張したスマホの保管には注意が必要です。
バッテリーが膨張すると内部での化学反応が不安定になり、発火のリスクが高まるからです。
具体的には、膨張したスマホは、火気のない場所に保管し、他の物品との接触を避けることが重要です。
また、バッテリーがさらに膨張することを防ぐため、スマホの電源を切り、充電器からは絶対に切り離すようにしましょう。
できるだけ早く専門の修理店に持ち込み、適切な処置を行ってもらうことが重要です。
- バッテリーが膨張した状態で冷やす行為は絶対に避けるべき
- 膨張したバッテリーは内部で化学反応が活発化しており、冷やすことでその反応が不安定になる可能性がある
- バッテリー内部のリチウムイオンが急速に移動し、これが過熱や膨張を引き起こす
- 膨張したバッテリーを無理に押さえつける行為も避けるべき
- バッテリーを急激に冷却すると結露が発生し、水没故障などのトラブルにつながる可能性がある
- 膨張したバッテリーを自分で分解修理するのも絶対にNG
- バッテリーが膨張する原因は主にバッテリー内部の過熱や過充電
- バッテリーの使用環境を適切な温度に保つことも重要
- バッテリーに物理的な衝撃を与えないことも重要
- 低品質の充電ケーブルは、充電時の電圧が不安定で内部のチップが損傷する可能性がある
- バッテリーの充電は20%以下になったら始め、80%程度で止めると良い
- バッテリーが膨張した場合、内部でガスが発生している可能性があり、このガス抜きは専門の修理店で行うことが重要