フロントバンパーが外れた！はめる応急処置と修理代を解説

車の運転中、思わぬ瞬間に縁石へ乗り上げ、バンパーが外れた経験はありませんか。

突然フロントバンパーが外れた際、自分ではめることはできるのか、多くのドライバーが悩む問題です。

この記事では、フロントバンパーが外れた場合に、はめるにはどうすれば良いのか、そしてフロントバンパーが外れる原因は何かという根本的な部分から解説します。

また、自分でできるフロントバンパーが外れた箇所への応急処置としてテープを使う方法や、気になるフロントバンパーが外れた箇所の修理代、バンパーが外れた場合の修理がいくらになるのかという費用面も詳しく見ていきます。

さらに、バンパーを外れたまま走行するのは危険ですかという安全上の疑問や、リアバンパーが外れたってはめる方法についても触れていきます。

修理の依頼先として、バンパーが外れた際にガソリンスタンドや、車のバンパーが外れた場合にオートバックスといった身近な店舗がどう対応してくれるのか、具体的な選択肢についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フロントバンパーが外れたからはめる前に確認すべきこと

• なぜ？フロントバンパーが外れる原因は？
• 縁石乗り上げでバンパーが外れたケース
• 外れたまま走行するのは危険ですか？
• フロントバンパーが外れた時の応急処置
• 固定にテープは有効か
• フロントバンパーが外れたら自分で直せる？

なぜ？フロントバンパーが外れる原因は？

車のフロントバンパーが思いのほか簡単に外れてしまうのには、明確な理由があります。結論から言うと、バンパーは意図的に外れやすく作られているためです。

その最大の理由は、歩行者の安全確保と車体本体の保護にあります。

現代の車のバンパーの多くは、金属ではなく柔軟性のある樹脂（ポリプロピレンなど）で作られています。

これは、万が一歩行者と接触した際に、相手に与える衝撃を和らげるための設計です。硬い金属製よりも、柔らかい樹脂が変形することで、衝撃を吸収・分散させる効果が期待できます。

また、バンパーは車体フレームのような骨格部品を守る「緩衝材」の役割も担っています。軽い接触事故などの際に、バンパー自体が壊れたり外れたりすることで、より重要な内部部品へのダメージを防ぐのです。

このような役割を果たすため、バンパーの取り付けは、フェンダー部分のリテーナーと呼ばれる部品にツメではめ込み、数カ所をクリップや小さなボルトで固定するだけの簡易的な構造になっています。

そのため、縁石に乗り上げる、駐車場の車止めにぶつけるといった比較的弱い衝撃でも、クリップが外れたり、ツメが破損したりして、ずれたり外れたりしてしまうのです。経年劣化でクリップがもろくなっている場合は、さらにわずかな力で外れやすくなる傾向があります。

縁石乗り上げでバンパーが外れたケース

フロントバンパーが外れる具体的な原因として、特に多いのが縁石への乗り上げです。なぜ縁石に乗り上げただけでバンパーが外れてしまうのか、その仕組みを理解しておくことが大切です。

例えば、駐車場から出る際や右左折時に、思ったよりも内側に寄りすぎてしまい、フロントタイヤが縁石に乗り上げるケースが考えられます。

このとき、車体の下部にあるバンパーの底面が縁石に引っかかります。ドライバーがそれに気づかず、そのまま車を動かそうとすると、バンパーには進行方向と逆向きの強い力がかかります。

前述の通り、バンパーはクリップやツメで固定されているため、このような想定外の力が加わると、固定部分が耐えきれずに破損したり、外れたりします。特に、バンパー側面とフェンダーをつなぐ部分は、はめ込み式のツメ（リテーナー）で固定されていることが多く、引っ張られる力に弱い構造です。

また、バックで縁石を越えてから前進する際も同様です。

バンパーの下部が縁石の向こう側に引っかかった状態で前進すると、バンパーが「めくれる」ような形で強い力がかかり、取り付け部が破損して外れてしまいます。

このように、縁石への乗り上げは、バンパーを固定しているクリップやリテーナーに直接的なダメージを与え、外れやズレを引き起こす典型的な原因と言えるでしょう。

外れたまま走行するのは危険！

フロントバンパーが外れたり、外れかかったりした状態で走行を続けることは、絶対に避けるべきです。これは単に見た目が悪いという問題ではなく、重大な事故につながる可能性をはらんだ非常に危険な行為だからです。

第一に、走行風や振動でバンパーが完全に脱落するリスクがあります。もし走行中にバンパーが落下すれば、後続車がそれを踏んでハンドルを取られたり、避けるために急ハンドルを切って事故を誘発したりする可能性があります。

第二に、脱落したバンパーを自車のタイヤで巻き込んでしまう危険性です。フロントバンパーを前輪で巻き込むと、タイヤがロックされたり、ハンドル操作が不能になったりする恐れがあります。そうなるとブレーキも正常に機能しなくなり、極めて危険な状態に陥ります。

第三に、バンパーが部分的に外れて車体からはみ出している場合、その鋭利な部分や突起が歩行者や自転車に接触し、怪我をさせてしまうかもしれません。これは、道路交通法の保安基準にも抵触する可能性があります。保安基準では、車体から鋭い突起物が飛び出している状態は認められていません。

これらのことから、バンパーが外れた状態で公道を走ることは、自分だけでなく周囲をも危険に晒す行為です。速やかに安全な場所に停車し、応急処置を行うか、ロードサービスを手配することが不可欠です。

擦らないように対策を知っておくのも大切です。参考までにこちらの記事をご覧ください。

フロントバンパーが外れた時の応急処置

もし運転中にフロントバンパーが外れてしまったら、まずは慌てずに安全な場所に車を停車させ、状況を確認することから始めます。

1. 状況の確認

まず、バンパーがどの程度、どの部分で外れているのかを目視で確認します。

完全に脱落しているのか、一部がぶら下がっている状態なのかを把握してください。

次に、バンパーと車体をつないでいるクリップやツメ、それらを受け止めるリテーナー部分が破損していないかを確認します。割れたり、ちぎれたりしている箇所はないか、注意深く観察しましょう。

2. はめ込みを試す

もし、クリップやツメに目立った破損がなく、単に外れているだけのように見える場合は、元の位置にはめ込むことで一時的に固定できる可能性があります。

バンパーを少し持ち上げながら、ボディ側の取り付け穴やリテーナーの位置に合わせて、手のひらで優しく押し込んでみてください。「パチン」という手応えがあれば、うまくはまった合図です。

ただし、無理な力で叩き込むのは絶対にやめましょう。見えない部分が変形している場合、かえって被害を拡大させる恐れがあります。

3. テープや結束バンドで固定

はめ込みができない場合や、はめ込んでもすぐに浮いてきてしまう場合は、テープや結束バンドを使った固定が必要です。

詳しくは次の見出しで解説しますが、走行中にバンパーが脱落しないように、しっかりと固定することが応急処置の目的となります。

これはあくまで修理工場へ移動するための暫定的な措置であることを忘れないでください。

バンパー下であれば意外と気にしない人は多い？

固定にテープは有効か

フロントバンパーが外れた際の応急処置として、テープによる固定は非常に有効な手段です。

ただし、テープの種類と使い方には注意が必要です。

最も推奨されるのは、カー用品店やホームセンターで入手できる「養生テープ」です。

養生テープは粘着力が十分にありながら、剥がしたときに糊が残りにくいのが特徴です。ボディの塗装を傷めるリスクが低いため、応急処置には最適と言えます。

逆に、布製のガムテープは避けた方が賢明です。

粘着力が強力すぎて剥がすのが大変な上、糊がボディに固着してしまい、後で除去するのに手間がかかります。最悪の場合、塗装ごと剥がれてしまう可能性も否定できません。

テープで固定する際のコツは、バンパーと、隣接するフェンダーやボンネットといったボディパネルをまたぐように、複数箇所をしっかりと貼り付けることです。

特に、タイヤハウス付近の側面や、ヘッドライトの下あたりは外れやすいポイントなので、重点的に固定すると良いでしょう。走行風で剥がれないよう、テープの端までしっかりと圧着させてください。

もちろん、テープでの固定は一時しのぎに過ぎません。

粘着力は時間とともに低下しますし、雨に濡れればさらに弱まります。

あくまで、安全に修理工場まで自走するための「保険」と考え、処置後はできるだけ速やかに専門家に見てもらうことが大切です。

フロントバンパーが外れたら自分で直せる？

フロントバンパーが外れた際、「自分で完全に直せるか」という問いに対しては、「限定的な状況での応急処置は可能だが、本格的な修理はプロに任せるべき」というのが答えになります。

自分で対応できる範囲は、主にクリップのはめ直しです。

前述の通り、バンパーを固定しているクリップが単に外れただけで、クリップ自体や取り付け部分に破損がなければ、正しい位置に押し込むことで再度固定できる場合があります。

カー用品店などで同じ形状のクリップを購入し、古いものと交換する作業も、工具があれば比較的簡単に行えるかもしれません。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

バンパーが外れるほどの衝撃を受けたということは、目に見えない部分に損傷が及んでいる可能性が高いからです。

例えば、バンパーの内側にある金属製のステーが曲がっていたり、バンパーの取り付け部自体に微細な亀裂が入っていたりすることがあります。

素人がこれらの損傷に気づかずに無理やりバンパーを押し込もうとすると、亀裂が広がったり、他の部品を破損させたりと、かえって状態を悪化させてしまうことになりかねません。

また、近年の車はバンパー内部に衝突被害軽減ブレーキのセンサーなどが搭載されていることも多く、安易な脱着は安全装置の誤作動につながるリスクも考えられます。

したがって、自分で行う作業はあくまで「走行中に脱落しないようにする応急処置」までと心得え、根本的な原因の診断と確実な修理は、専門的な知識と設備を持つプロに依頼するのが最も安全で確実な選択です。

プロにフロントバンパーが外れたのをはめる修理を依頼

• フロントバンパーが外れた場合、はめるには？
• フロントバンパーが外れた修理代はいくら？
• ガソリンスタンドやオートバックスは対応可能？
• リアバンパーが外れたってはめるのも可能？
• フロントバンパーが外れたらはめる前に専門家へ相談

フロントバンパーが外れた場合、はめるには？

専門家が外れたフロントバンパーを修理する際は、単に力ずくではめ込むようなことはしません。

正確な診断と適切な手順を踏んで、安全かつ確実な修復を目指します。

まず、プロはバンパーの損傷状態を詳細に確認します。

外から見えるズレや傷だけでなく、一度バンパーを取り外して、内側の状態まで徹底的にチェックするのが一般的です。

バンパー本体の取り付け部分に割れや亀裂がないか、車体側の骨格（フレーム）や、バンパーを支えるステー、ヘッドライトなどの周辺部品に変形や損傷がないかを精査します。

診断の結果、損傷が軽微で、バンパー本体や取り付け部に問題がないと判断されれば、新しいクリップやビスを使って再度取り付けを行います。

この際、バンパーがボディラインに沿ってきれいに収まるよう、ミリ単位での調整が行われます。

もし、バンパーの取り付け部（ツメ）が割れていたり、バンパー本体に歪みが生じていたりする場合は、修理や交換が必要になります。

部分的な割れであれば、専用の接着剤や溶着機で補修することもありますが、損傷が大きい場合はバンパー交換を提案されることが多いでしょう。

特に重要なのが、衝突被害軽減ブレーキやパーキングアシスト機能のセンサーがバンパーに内蔵されている車種です。

この場合、バンパーの脱着や交換を行うと、センサーの角度がずれて正常に機能しなくなる可能性があります。

そのため、修理後には「エーミング」と呼ばれる、センサーの角度を正確に再調整する専門的な作業が必須となります。

このように、プロの作業は表面的な修復にとどまらず、見えない部分の安全性を確保した上で、元の状態に戻すことを目的としています。

フロントバンパーが外れた修理代はいくら？

フロントバンパーが外れた際の修理代は、損傷の度合いや車種によって大きく変動します。

単に外れたバンパーをはめるだけの作業から、部品交換を伴う大掛かりな修理まで、費用には幅があることを理解しておく必要があります。

以下に、ケース別の修理費用の目安をまとめました。

ヒロシ

ただし、これはあくまで一般的な相場であり、車種や依頼する業者によって金額は前後します。

最も安価に済むのは、クリップが外れただけで損傷がなく、はめ直すだけで済むケースです。

ディーラーやなじみの修理工場であれば、サービスまたは数千円の工賃で対応してくれることもあります。

一方、バンパーに割れや大きな変形があり、交換が必要になると費用は高額になります。

特に、最近の車に多い先進安全装備（ADAS）のセンサーが内蔵されているバンパーは、部品代そのものが高価な上に、交換後のエーミング作業が必須となるため、総額が20万円を超えることも珍しくありません。

修理を依頼する際は、必ず事前に複数の業者から見積もりを取り、作業内容と費用を比較検討することが賢明です。

ガソリンスタンドやオートバックスは対応可能？

バンパーが外れてしまった時、どこに修理を依頼すればよいか迷うかもしれません。

身近な選択肢として、ガソリンスタンドとオートバックスのようなカー用品店が挙げられますが、それぞれ対応できる範囲や特徴が異なります。

ガソリンスタンドの場合

多くのガソリンスタンドでは、給油や洗車と併せて簡単な点検や軽作業を行っています。

バンパーが外れたケースでは、クリップが外れた程度であれば、はめ込み作業に対応してくれる場合があります。

スタッフの知識や技術力にもよりますが、あくまで応急処置的な対応が中心と考えるのが良いでしょう。

メリットは、店舗数が多く、気軽に相談しやすい点です。

デメリットとしては、板金塗装の専門設備や専門知識を持つスタッフが常駐しているわけではないため、本格的な修理や塗装、部品交換には対応できないことがほとんどです。

オートバックスなどのカー用品店の場合

オートバックスのような大手カー用品店では、専門のピットサービスを備えており、より広範囲な修理に対応可能です。

軽微な傷の補修（クイック板金）から、バンパーの交換作業まで依頼できます。

メリットは、純正品だけでなく、比較的安価な社外品のバンパーも選択肢に入れられる場合があることや、料金体系が明確で事前に見積もりを取りやすい点です。

デメリットとしては、ディーラーほどの専門性や、特定の車種に関する深い知識は期待できない場合があることです。

また、重度の損傷や車体のフレームにまでダメージが及んでいるようなケースは、提携の板金工場での作業となるか、対応を断られる可能性もあります。

どちらに依頼するにせよ、まずは車の状態を説明し、どこまでの作業が可能か、費用はいくらかかるのかをしっかりと確認することが大切です。

リアバンパーが外れたってはめるのも可能？

フロントバンパーと同様に、リアバンパーも駐車時にぶつけたりして外れてしまうことがあります。

基本的な構造や対処法はフロントバンパーと共通する部分が多く、自分ではめることが可能な場合もあります。

リアバンパーも、フロントと同様に樹脂製で、クリップやツメでボディに固定されています。

そのため、損傷が軽微で、単にクリップが外れているだけであれば、正しい位置に押し込むことで、一時的にはめることができるでしょう。応急処置としてテープで固定する方法も有効です。

ただし、フロントバンパーとは異なる注意点も存在します。

リアバンパーには、バックソナー（障害物センサー）や、車種によっては後退時用のカメラが埋め込まれていることがあります。バンパーが外れるほどの衝撃で、これらのセンサーや配線が損傷している可能性も考えられます。

センサーが破損したり、位置がずれたりすると、障害物を正しく検知できなくなり、バック時に思わぬ事故につながる危険があります。

そのため、リアバンパーが外れた場合も、フロントと同様に自分で応急処置を行った後は、速やかに専門業者に点検を依頼することが不可欠です。

修理費用についても、フロントバンパーとおおむね同程度ですが、センサーやカメラの交換が必要になると、その分費用が上乗せされます。

いずれにしても、安易な自己判断は避け、プロの目でしっかりと確認してもらうのが安全です。

まとめ：フロントバンパーが外れたらはめる前に専門家へ相談

この記事では、フロントバンパーが外れた際のさまざまな疑問について解説してきました。

最後に、重要なポイントを改めて整理します。

• バンパーは歩行者保護と車体保護のため、意図的に外れやすい樹脂製でできている
• 主な原因は縁石への乗り上げや障害物への接触による衝撃
• 外れたままの走行は、バンパーの脱落やタイヤへの巻き込みなど二次的な事故を誘発し非常に危険
• 保安基準にも抵触する可能性があるため、外れた状態での公道走行は避けるべき
• 応急処置として、まずは状況を確認し、破損がなければはめ込みを試す
• はめ込めない場合は、養生テープや結束バンドで走行中に脱落しないよう確実に固定する
• ガムテープは糊が残り塗装を傷める可能性があるため使用は推奨されない
• 自分でできるのは応急処置までと心得え、無理な作業は被害を拡大させるリスクがある
• 専門家はバンパーの内側や周辺部品まで詳細に診断してから修理を行う
• 修理費用は、はめ込みのみなら数千円、交換となると数万円から十数万円と幅がある
• 先進安全装備のセンサー付きバンパーは、交換費用が高額になり、エーミング作業が必須となる
• ガソリンスタンドは応急処置、オートバックスは本格的な修理まで対応できる場合がある
• リアバンパーも基本的な対処法は同じだが、バックソナーなどの損傷に注意が必要
• どのような状況であれ、応急処置後は速やかに専門業者に相談し、点検と適切な修理を受けることが最も重要
• 修理を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、内容と費用を比較検討することが賢明

以上、この記事が参考になれば幸いです。

関連記事

• バンパー下の傷は気にしない？アンケート調査で判明！気にする人の割合
• フロントバンパー下を擦る対策！徐行運転からバンパーガードまで解説