マツダ公式サイトより引用
マツダCX-30の購入を検討している中で、「cx30は20sで十分」という情報を目にすることがあるかもしれません。
しかし、本当にcx30 20sのベースグレードで満足できるのか、それともcx30 20s lパッケージのような(現在は後継の)上位グレードを選ぶべきか、迷う方は少なくないでしょう。
CX-30のおすすめグレードは何か、CX-30の欠点は何ですか、といった疑問はもちろんのこと、「cx-30は疲れる、運転しにくい」といった乗ってる人の口コミや評判、将来的なCX-30の値崩れに関する不安もあるかと思います。
また、CX-30はガソリン車とディーゼル車、どちらがいいですかというエンジンタイプの選択や、CX-30の燃費は20Sでどのくらいですかという具体的な維持費の問題も気になるところです。
そもそも、よりコンパクトなCx3とcx30、乗るならどっちが良いのか、という根本的な比較から始めたい方もいるかもしれません。
この記事では、そのような様々な疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消し、あなたにとって最適な一台を見つけるための情報を提供します。
- 20Sグレードの装備とコストパフォーマンス
- 他グレードやディーゼル車との明確な違い
- 購入前に知るべき欠点や運転時の注意点
- リセールバリューやCX-3との比較ポイント
cx30 20sで十分と言える理由とコスト評価
- cx30 20sベースグレードの装備内容
- cx30 20s lパッケージとの装備差
- 燃費は20Sでどのくらいですか?
- CX-30はガソリン車とディーゼル車、どちらがいいですか?
- おすすめグレードは結局どれ?
cx30 20sベースグレードの装備内容

CX-30のガソリンモデルにおける「20S」は、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって非常に魅力的な選択肢です。
現在、実質的なベースグレードとして位置づけられているのは「20S i Selection」ですが、このグレードでもマツダが誇る安全思想「マツダ・プロアクティブ・セーフティ」に基づいた多くの安全装備が標準で搭載されています。
例えば、衝突被害軽減ブレーキ(スマート・ブレーキ・サポート)や、後方の死角から接近する車両を知らせるブラインド・スポット・モニタリング(BSM)、車線逸脱警報システム(LDWS)などが全車標準装備です。
これらは、運転に不慣れな方からベテランドライバーまで、あらゆるシーンで安全運転をサポートしてくれます。
快適装備に目を向けても、ベースグレードとは思えない充実ぶりです。
運転に必要な情報をフロントガラスに投影するアクティブ・ドライビング・ディスプレイ(ヘッドアップディスプレイ)や、大型の10.25インチセンターディスプレイ、Apple CarPlay及びAndroid Auto™のワイヤレス接続機能などが標準で備わっています。
これらのことから、特別な豪華さを求めず、日々の移動手段として安全かつ快適に車を使用したいと考えるユーザーにとって、「20S i Selection」の装備内容は必要十分以上であり、価格とのバランスを考えた際に非常に優れた選択肢であると考えられます。
cx30 20s lパッケージとの装備差
かつて上位グレードとして設定されていた「L Package」は、2023年10月の商品改良で廃止されました。
現在、20S i Selectionの上位に位置するのは「20S Proactive Touring Selection」や、特別仕様車の「Retro Sports Edition」などです。
これらの上位グレードとベースグレードとの主な違いは、快適性と内装の質感向上に関する装備にあります。
「20S Proactive Touring Selection」では、ベースグレードの装備に加えて以下の機能が標準装備となります。
- クルージング&トラフィック・サポート(CTS): 高速道路での渋滞時などに、先行車との車間距離を保ちながら追従走行し、ステアリング操作をアシストする機能。運転疲労を大幅に軽減します。
- 運転席10Wayパワーシート&ドライビングポジションメモリー機能: 細かなシート調整が電動で行え、最適なポジションを記憶させることができます。
- 運転席&助手席シートヒーター: 冬場の快適性を高める装備です。
- ステアリングヒーター: こちらも冬場に重宝する装備です。
以下に、現行の主要な20Sグレード間の装備差をまとめます。
主な装備 | 20S i Selection | 20S Proactive Touring Selection |
車両本体価格(2WD) | 2,662,000円 | 3,020,600円 |
クルージング&トラフィック・サポート | ||
運転席パワーシート | ||
運転席&助手席シートヒーター | ||
ステアリングヒーター | ||
スーパーUVカットガラス(フロントドア) |
価格差は約36万円となりますが、特に長距離運転が多い方や、より快適なドライブを求める方にとっては、上位グレードの装備は価格差以上の価値を感じられるかもしれません。
逆に言えば、これらの先進快適装備に魅力を感じないのであれば、「20S i Selection」で十分に満足できる可能性が高いと言えます。
燃費は20Sでどのくらいですか?

車の維持費を考える上で、燃費は非常に重要な要素です。CX-30の2.0Lガソリンエンジンを搭載した「20S」グレードの燃費性能は、日常使いから週末の遠出まで、幅広いシーンでバランスの取れた数値を示します。
マツダが公表しているカタログ燃費(WLTCモード)と、実際の走行に近いとされる市街地・郊外・高速道路の各モード別燃費は以下の通りです。
グレード (20S) | 駆動方式 | WLTCモード燃費 | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
20S i Selection | 2WD | 16.2 km/L | 12.7 km/L | 16.7 km/L | 18.0 km/L |
20S i Selection | 4WD | 15.5 km/L | 12.1 km/L | 15.9 km/L | 17.3 km/L |
WLTCモードで16.2km/L(2WD)という数値は、同クラスのSUVと比較して突出して良いわけではありませんが、決して悪い数値でもありません。特に、比較的流れの良い郊外や高速道路では燃費が伸びる傾向にあります。
運転スタイルや交通状況によって実燃費は変動しますが、一つの目安として、街乗り中心であれば11~13km/L前後、高速道路を主体とした長距離移動では16km/L以上を期待できると考えられます。
ガソリンタンク容量は2WDモデルで51Lですので、計算上は満タンで800km以上の航続が可能です。
CX-30はガソリン車とディーゼル車、どちらがいいですか?
CX-30では、2.0Lガソリンエンジンの「20S」と、1.8Lディーゼルターボエンジンの「XD」が用意されており、どちらを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。この選択は、主に年間の走行距離と走り方の好みによって決まります。
ガソリン車(20S)のメリット・デメリット
ガソリン車の最大のメリットは、車両本体価格がディーゼル車に比べて安い点です。
「XD Proactive Touring Selection」と「20S Proactive Touring Selection」を比較すると、約27万円の価格差があります。
また、エンジン音が静かで振動も少なく、スムーズに回転が上がるため、市街地でのストップ&ゴーや短距離の移動でもストレスを感じにくいのが特徴です。
一方、デメリットはディーゼル車と比較して燃費性能がやや劣り、燃料であるレギュラーガソリンの単価が軽油よりも高いことです。
ディーゼル車(XD)のメリット・デメリット
ディーゼル車の魅力は、なんといっても優れた燃費性能と燃料費の安さです。
軽油はレギュラーガソリンより1Lあたり20円前後安いため、長距離を走れば走るほど経済的なメリットが大きくなります。
また、低回転から力強いトルクを発生させるため、高速道路での合流や追い越し、坂道などでの加速が非常にパワフルで余裕のある走りを楽しめます。
デメリットとしては、前述の通り車両価格が高いことや、ディーゼル特有のエンジン音や振動が気になる方がいるかもしれません。
加えて、定期的なメンテナンスとして、煤(すす)を除去するためのDPF(ディーゼル・微粒子捕集フィルター)の再生が必要になる点も考慮すべきです。
以上のことから、年間走行距離が1万km未満で、主に市街地での利用が中心の方はガソリン車(20S)が、年間走行距離が多く、高速道路を頻繁に利用する方はディーゼル車(XD)が適していると考えられます。
おすすめグレードは結局どれ?

CX-30のグレード選択は、個々のライフスタイルや車に求める価値によって最適解が異なります。ここでは、いくつかのユーザータイプ別におすすめのグレードを提案します。
コストパフォーマンスを最優先するなら「20S i Selection」
この記事で繰り返し述べている通り、価格と装備のバランスを最も重視するなら「20S i Selection」が最適です。
基本的な安全装備や快適装備は十分に備わっており、「CX-30という車」の本質的な魅力を最もリーズナブルに味わうことができます。
日常の足として過不足なく使え、多くの方にとって「これで十分」と感じられるグレードです。
快適な長距離ドライブを求めるなら「Proactive Touring Selection」
高速道路の利用が多い方や、少しでも運転の負担を減らしたい方には、ガソリン・ディーゼル問わず「Proactive Touring Selection」をおすすめします。
運転支援機能「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」や、シートヒーター、パワーシートといった装備は、長距離移動時の快適性を劇的に向上させます。価格差以上の価値を見出せるでしょう。
デザインと個性を重視するなら特別仕様車
他の人とは少し違うCX-30に乗りたいという方には、「Retro Sports Edition」や「Black Tone Edition」といった特別仕様車が魅力的です。
専用の内外装パーツが与えられ、洗練されたデザインがさらに際立ちます。また、特別仕様車は中古車市場でも人気が高く、リセールバリューが期待できるという側面もあります。
したがって、CX-30のおすすめグレードは一つに絞られるものではなく、ご自身の予算や使い方、デザインの好みを照らし合わせながら検討することが大切です。
cx30 20sで十分か判断するための懸念点
- 購入前に知りたいCX-30の欠点は何ですか?
- cx-30は疲れる・運転しにくいとの評判
- 値崩れとリセールバリュー
- Cx3とcx30、乗るならどっちを選ぶ?
購入前に知りたい!CX-30の欠点は何ですか?

CX-30は多くの魅力を持つ一方で、購入前に把握しておくべきいくつかの欠点や注意点が存在します。これらを理解しておくことは、購入後のミスマッチを防ぐ上で不可欠です。
後席の居住性と荷室容量
CX-30の流麗なクーペスタイルのデザインは大きな魅力ですが、その代償として後席のスペースはやや限定的です。
特に頭上空間は、身長の高い大人が乗ると少し窮屈に感じるかもしれません。日常的に大人4人が乗車する機会が多いファミリーユースを主目的とする場合、少し手狭に感じる可能性があります。
また、荷室容量も430Lと、同クラスのSUVの中では平均的なサイズです。大きな荷物や、かさばるアウトドア用品などを頻繁に積む方は、実際に荷物を積んで試してみることをお勧めします。
視界の問題
デザインを優先した結果、特に後方および斜め後方の視界が広いとは言えません。
太いCピラー(後席横の柱)と小さなリアウィンドウのため、車線変更や駐車の際には死角に注意が必要です。
ただし、この欠点を補うために、CX-30には死角の車両を検知するブラインド・スポット・モニタリング(BSM)が標準装備されています。また、オプションで360°ビュー・モニターを選択すれば、駐車時の不安は大幅に解消されます。
ロードノイズ
一部のユーザーからは、路面状況によってロードノイズ(タイヤが路面を転がる音)が車内に伝わりやすいという指摘があります。
特に荒れた路面を走行する際には、気になる方がいるかもしれません。静粛性を重視する場合は、試乗の際に様々な路面を走行して確認することが望ましいです。
これらの点は、CX-30が持つデザイン性や走行性能とのトレードオフの関係にある部分です。
ご自身の使い方で許容できる範囲かどうかを、事前にしっかりと見極めることが大切になります。
cx-30は疲れる・運転しにくいとの評判

一部で「CX-30は疲れる、運転しにくい」という評判を聞くことがありますが、これにはいくつかの理由が考えられます。
一つは、前述した「視界」の問題です。ボンネットの先端が見えにくく車両感覚が掴みにくいと感じる方や、後方の死角が気になって運転中に余計な緊張を強いられることが、「疲れる」という感覚に繋がる場合があります。
また、乗り心地がやや硬めに感じられることも一因かもしれません。
マツダ車は、ドライバーの操作にリニアに反応するスポーティーな乗り味を特徴としており、路面の凹凸を比較的正直に伝える傾向があります。このダイレクト感が「運転の楽しさ」と感じる人もいれば、長距離運転では「突き上げ感があって疲れる」と感じる人もいます。
しかし、マツダは「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)」という独自の車両挙動制御技術を全車に標準装備しています。
これは、カーブを曲がる際などにエンジントルクを微調整することで、車両の動きを滑らかにし、乗員の体の揺れを抑制する技術です。これにより、無意識のうちにかかっていた力が抜け、長距離運転時の疲労蓄積を軽減する効果が期待できます。
したがって、「運転しにくい」と感じるかどうかは、個人の運転スキルや感覚に大きく左右される部分です。
視界の狭さは360°ビュー・モニターなどの運転支援機能でカバーできますし、乗り心地も慣れや好みの問題が大きいでしょう。購入を検討する際は、必ずご自身で長めに試乗し、運転感覚を確かめることを強くお勧めします。
値崩れとリセールバリュー

車を所有する上で、将来的な資産価値、つまりリセールバリューは気になるポイントです。CX-30のリセールバリューは、同クラスのSUVの中で比較的良好な水準を維持していると言えます。
一般的に、3年落ちで60%~70%程度の残価率が期待できますが、これはグレードやボディカラー、オプション装備によって大きく変動します。
リセールバリューが高い傾向にある要素
- 人気グレード: 「Proactive Touring Selection」のような装備が充実したグレードは、中古車市場でも需要が高く、リセールが高くなる傾向にあります。
- 特別仕様車: 「Retro Sports Edition」や「Black Tone Edition」などは、希少性から高値で取引されやすいです。
- 駆動方式: 4WDは2WDに比べて需要が高く、特に降雪地域ではリセールに有利です。
- 人気カラー: マツダの象徴色である「ソウルレッドクリスタルメタリック」や、定番の「スノーフレイクホワイトパールマイカ」などは人気があります。
- メーカーオプション: 360°ビュー・モニターやBOSEサウンドシステムなどの人気オプションが装備されていると、査定額がプラスになることがあります。
一方で、「20S」のベースグレードは、上位グレードと比較するとリセールバリューは若干落ち着く傾向にあります。
しかし、それは初期投資が低いことの裏返しでもあります。購入時の価格と売却時の価格の差額(実際に負担するコスト)で考えると、必ずしも損をするわけではありません。
CX-30は国内外で人気のあるモデルのため、極端な値崩れはしにくいと考えられます。賢く購入し、大切に乗ることで、将来的な資産価値をある程度維持することが可能な車です。
Cx3とcx30、乗るならどっちを選ぶ?
マツダのコンパクトSUVラインナップには、CX-30の他に、よりコンパクトなCX-3も存在します。
この2台は似ているようでキャラクターが大きく異なるため、どちらを選ぶべきか比較検討する方も多いです。
項目 | マツダ CX-3 | マツダ CX-30 |
ベース車両 | MAZDA2 | MAZDA3 |
全長 | 4,275 mm | 4,395 mm |
全幅 | 1,765 mm | 1,795 mm |
全高 | 1,550 mm | 1,540 mm |
後席の広さ | コンパクト | CX-3より広い |
荷室容量 | 350 L | 430 L |
内装の質感 | シンプル・機能的 | 上質・洗練 |
価格帯(新車) | 228万円~ | 266万円~ |
CX-3が向いている人
CX-3は、よりコンパクトで取り回しのしやすさを重視する方に向いています。都市部の狭い道や駐車場での運転がメインで、後席に人を乗せる機会が少ない単身者やカップルに最適です。デザインもシャープで軽快な印象を与えます。
CX-30が向いている人
一方、CX-30はCX-3よりも一回り大きく、その分、後席の居住性や荷室の積載性に余裕があります。また、内装の質感はMAZDA3をベースとしているため、CX-3よりも格段に上質で洗練されています。乗り心地や静粛性も高く、長距離の移動でも快適です。少し余裕のあるサイズ感と、より高い質感を求める方にはCX-30が適しています。
要するに、軽快さと取り回しを優先するならCX-3、居住空間の余裕と内外装の質感を重視するならCX-30、という選択になります。ご自身のライフスタイルや、車に何を求めるかを明確にすることで、最適な一台が見えてくるでしょう。

この記事では、マツダCX-30の20Sグレードが「十分」と言えるのか、様々な角度から検証してきました。
最終的な判断は、乗り手の価値観やライフスタイルに委ねられますが、以下に本記事の要点をまとめます。
- 20Sは価格と装備のバランスに優れたコストパフォーマンスの高いグレード
- 衝突被害軽減ブレーキなど基本的な安全装備は標準で充実している
- ヘッドアップディスプレイや大型モニターなど快適装備もベースグレードから搭載
- 上位グレードとの主な差は、先進運転支援機能や内装の豪華さ
- 街乗りや日常使いがメインなら20Sの動力性能で不満を感じることは少ない
- 長距離運転が多い場合は、疲労を軽減するCTS付きの上位グレードも魅力的
- 年間走行距離が少ないならガソリン車、多いなら経済的なディーゼル車を検討
- 20SのWLTCモード燃費は16.2km/L(2WD)で、実用上十分なレベル
- デザイン優先のため後席や荷室はややコンパクトでファミリーユースは要確認
- 同様に視界も広くはないが、運転支援機能でカバーすることが可能
- スポーティーな乗り心地は「疲れる」と感じるか「楽しい」と感じるかで評価が分かれる
- リセールバリューはグレードや色で変動するが、極端な値崩れの心配は少ない
- よりコンパクトなCX-3と比較すると、CX-30は室内空間と質感で明確に勝る
- どのグレードを選ぶにせよ、最終的には試乗して自身の感覚で確かめることが大切
- 豪華さよりも合理性を重視するユーザーにとって、20Sはまさに「十分」な選択肢
以上、この記事が参考になれば幸いです。